2004 Fiscal Year Annual Research Report
移動マスクX線リソグラフィーにおける最適マスク移動パターン導出のアルゴリズム構築
Project/Area Number |
03J51111
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松塚 直樹 立命館大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 移動マスクX線露光法 / 3次元微細加工 / 断続照射 / 溶解界面伝播解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は移動X線リソグラフィを用いて任意の3次元形状を実現するためのアルゴリズム構築である.昨年度までにマスク移動パターンを一次元に限定した場合において,レジスト表面における任意のエネルギー分布を与えるマスク移動パターン導出アルゴリズムを構築した.本年度は主にエネルギー分布と加工形状の変換手法の確立に関する研究を行った. 1.断続照射による影響 露光中はマスクの移動によって照射と停止の1サイクルが繰り返される.昨年度,1サイクル(約40〜80秒)の照射時間と停止時間の組合せを変化させることで,同じ照射量でも加工深さに影響を与えることを確認した.本年度は照射と停止の1サイクルを約5〜10秒程度に短くした場合,その影響が無視できる程度であることを確認した.この結果から,マスク移動のサイクルを調整することによって断続照射が加工形状に与える影響を無視できると考えられる. 2.溶解界面伝播解析 エネルギー分布を加工形状に変換するとき,3次元的な溶解界面の伝播を考慮する必要がある.その場合まず必要となるデータは,レジスト内のX線吸収エネルギー分布,吸収エネルギー分布と溶解速度の関係である.一般的な方法では,吸収エネルギー分布は光源からレジストまでにX線が通過する材料の一般的な物性値を用いて算出されるが,実際使用した材料の正確な物性値が未知であるため誤差が生じる.そこで,正確な物性値を用いずに2つの必要なデータを計算する手法を提案し,計算結果の妥当性を検証することによってこの手法の有用性を実証した. また3次元の溶解界面伝播のシミュレーションを用いずに簡単な式を解くことによって加工形状を予測する手法を提案し,レジスト表面に簡単な階段状のエネルギー分布を与える実験において,上記の方法で得られたデータを適用して検証を行い,その有用性を実証した.
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Research Products
(1 results)