2005 Fiscal Year Annual Research Report
微少電極と分子生物学的手法を用いた根圏微生物と根の相互作用および環境浄化能の解析
Project/Area Number |
03J52031
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 吉志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 微小電極 / 分子生物学的手法 / 根圏 / 硝化活性 |
Research Abstract |
微小電極による根面および根圏の物質濃度分布の測定 根表面からの酸素の放出は先端から根本方向に40mmまでの範囲でのみ観察され、酸素の放出が最も多いのは先端から20mmの地点であった。また暗条件から明条件へ変化させたときおよび明条件から暗条件へ変化させたときに根表面の酸素濃度が数μM変化した。このことから放出される酸素の速度は光の影響を受けるが、その影響は非常に小さいこともわかった。酸素の放出速度の違いは根圏内で生じる硝化反応にも影響を与えていた。酸素の放出される部位全体において亜硝酸酸化反応が観察されたが、アンモニア酸化反応は酸素の放出が多い20mmでしか観察されなかった。 根圏生物膜の微生物群集構造解析 微小電極を用いた測定の後、培養していた容器からヨシ(Phragmites spp.)の根を採取し、観察すると、根には約1mm程度の生物膜が形成されていた。そこでこの生物膜内の微生物群集構造解析を行った。生物膜からDNAを抽出し、16SrDNAを対象に解析を行った。その結果、根圏内と土壌中の菌相に大きな違いが見られた。代表的なものとして優占種の違いが挙げられ、根圏の優占種はBetaproteobacteriaであったが、土壌中の優占種は、Acidobacteriaであった。また根圏と土壌中の細菌密度を計測した結果、根圏では10^<10>cells/cm^3であったが、土壌では10^9cells/cm^3であった。アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌を定量した結果、どちらも10^7cells/cm^3の密度で存在する事が明らかになった。
|
Research Products
(3 results)