2003 Fiscal Year Annual Research Report
永久塩泉による海洋深層水の汲上げおよび海洋中での管内流に関する研究
Project/Area Number |
03J52111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
椿 耕太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 永久塩泉 / 海洋深層水 / 振動流 / 流速計測 |
Research Abstract |
来年度の5月に東京大学海洋研究所の研究船白鳳丸を利用した、永久塩泉による海洋深層水の汲上げの海洋での実験が予定されている。この実験に向けて、新たな測定系の開発および、実験装置全体の改良を行なった。測定系では、前回の実験で測定した2.5mm/sという超低速流を測定の対象とし、連続的な流速測定を可能とした。前回開発した測定装置との主な相違点としては、流速測定のためのトレーサーの連続的な放出が可能となり、トレーサーの内蔵量を増やすことにより、より長期間の連続測定が可能となった。また永久塩泉の実験装置全体では、前回設置時に海表面付近で深層水の取水管が破損した箇所があったため、取水管の強化を行なった。 また、海洋中での管内流での拡散現象に関して、室内での海洋実験よりも小径の管を用いた実験を行なった。この実験で、見かけの拡散が大きくなるのが振動のみではなく、管内壁面の凹凸が大きな影響を与えていることが分かった。実験では、管内でどのような現象が起こっているか把握するため、トレーサーによる管内流の可視化を行なった。この実験では、管内壁にバッフルとよばれる数種の大きさの凸部を設置し、凸部の管内流に与える影響を観測した。この実験から、管全体が振動していても、管内壁面が平滑面の場合、振動は管内流に大きな影響を与えず、またバッフルが大きくなるにしたがい、管内流に与える影響も大きくなることが分かった。この室内実験の結果から、海洋実験で使用している取水管内壁にも室内実験でのバッフルに相当する凸部があると予測される。実験で使用する取水管は柔軟な塩ビ製のシートで出来ているため、シートが弛むことにより凹凸となり、それがバッフルの役目を果していると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Maruyama, K.Tsubaki, K.Taira, S.Sakai: "Using the Perpetual Salt Fountain for Cultivation of Ocean Desert"Journal of Oceanography. Vol.60(印刷中). (2004)
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[Publications] Zhang, X.R., Maruyama, S., Sakai, S., Tsubaki, K., Behnia, M.: "Flow prediction in upwelling deep seawater - the perpetual salt fountain"Deep Sea Research I. 印刷中. (2004)
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[Publications] X.R.Zhang, S.Maruyama, K.Tsubaki, S.Sakai, M.Behnia: "Mechanism of Turbulent Transport in Upwelling Deep Seawater Using the Perpetual Salt Fountain"Deep Sea Research I. 印刷中. (2004)
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[Publications] 円山重直, 椿耕太郎, Xinrong Zhang, 酒井清吾: "海洋深層水汲み上げによる海洋緑化・ラピュタ計画"月刊海洋. 号外No.36(印刷中). (2004)