2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体デバイスにおけるバイオ解析操作の集積化
Project/Area Number |
03J52261
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金田 祥平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 微量液体 / 電気泳動 / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
将来の医療診断技術として有望である遺伝子解析やタンパク質解析を高効率,高速,高解像度に行なう方法として,マイクロ流体デバイスを用いる方法があるが,デバイス上でバイオ解析に必要な複数の操作を実現する上での技術課題が微量液体のハンドリングである.本研究では,微量液体ハンドリングを行うマイクロ流体デバイスの開発を課題とし,そのバイオ解析操作への応用可能性を検討してきた.平成15年度から平成16年度にかけては,疎水性ベント構造を有するデバイスの電気泳動応用に関して検討した.デバイスは,疎水性ベント構造と空気圧制御でマイクロ流路内の微量液のハンドリングが可能である.デバイス上の評価実験では,微量サンプルプラグ生成(約285pL)可能,90秒以内のサンプルDNAの分離に成功した.従来のチップ電気泳動デバイスと比較して,分離時間については同等の性能であるが,より高精度にプラグ生成が可能であることと,静水圧による流路内部の流れによる分解能が低下するという問題等を解決できた. 平成16年度は,前年度の空気圧制御による微量液体ハンドリングに加えて,電気制御によるデバイスの開発に当たった.具体的な反応・分析操作の応用として,DNAとPNA(Peptide Nucleic Acid)のハイブリダイゼーション反応・電気泳動分析のためのマイクロ流体デバイスを試作した.デバイスでは,DNA-PNA結合反応,制限酵素反応および泳動分離操作を,電気浸透流・電気泳動といった電気制御で行うことで連続的な操作の自動化が実現された.サンプルDNAとして,□X-174ファージDNA,制限酵素としてHaeIIIを用いた評価実験では,反応から分析までの操作を5分以内に完了できることを確認した.これは,従来のマイクロチューブとゲル電気泳動を用いた場合に比べて操作時間を20分の1程度に短縮できたことになる.
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Research Products
(3 results)