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2004 Fiscal Year Annual Research Report

亜高山帯・高山帯の保全のためのユキワリソウを指標としたモニタリング手法の検討

Research Project

Project/Area Number 03J52321
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

下野 綾子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

KeywordsPrimula modesta / 個体群動態 / 土壌シードバンク / マイクロサテライトマーカー / 空間的遺伝構造 / Moran's I
Research Abstract

動植物の個体群動態のデータは、個体群の存続性評価において欠かせない基礎清報であるが、植物個体群については、個体群を構成する個体の多くが土壌シードバンクとして地下に存在するため、個体群動態のデータを十分な精度で取得することは必ずしも容易ではない。一般に、土壌シードバンクは個体群の維持においてきわめて重要な役割を果たしていると考えられているが、土壌中の種子を追跡することが困難なため、その動態を地上個体群との相互作用を含めて定量的に評価した例はごく限られている。本研究では、高山植物ユキワリソウ(サクラソウ科サクラソウ属)を対象に、土壌シードバンク動態の空間的動態の定量化を試みた。
土壌の深さ別に採集した土壌シードバンクと開花個体を対象にマイクロサテライトマーカー10座の遺伝子型を決定し、個体間距離に応じた遺伝子頻度の相関の強さの指数としてMoran's Iを算出した。あわせて実生の出現から定着にいたる空間的分布パターンの変化を追跡した。
表層0-1cmから採集した土壌シードバンク(SSB)と開花個体との間の空間的遺伝構造は、近傍の個体間で正の相関が見られたのに対し、深層1-5cmから採集した土壌シードバンク(DSB)と開花個体との間には、明瞭な空間的遺伝構造は見られなかった。このことからSSBは前年の散布種子が多くを占める一時的シードバンクとしての性格が強く、DSBは複数世代の散布種子を蓄積した永続的要素を反映するものであることが示唆された。
出現実生は開花個体の近傍20cmに集中分布しており、生残の過程で出現時よりも集中度が増す傾向が認められた。これは、定着セーフサイトの空間的不均一性に起因するものであり、実生の生存率は降雨時に水が溜まる窪地で有意に低かった。空間的遺伝構造の形成には、地上個体群の種子散布とセーフサイトへの集中をもたらす実生の定着の過程が寄与していると考えられた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2004

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] Seedling emergence patterns and dormancy/germination Physiology of Primula modesta in a subalpine region2004

    • Author(s)
      Shimono, A., Washitani, I.
    • Journal Title

      Ecological Research 19

      Pages: 541-551

  • [Journal Article] Characterization of microsatellite in Primula modesta Bisset et Moore (Primulaceae)2004

    • Author(s)
      Shimono, A., Ueno, S., Tsumura.Y., Washitani, I.
    • Journal Title

      Molecular Ecology Note 4

      Pages: 560-562

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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