2004 Fiscal Year Annual Research Report
変位依存・速度依存型装置を用いた制振構造の包括的な応答評価法・設計法に関する研究
Project/Area Number |
03J52381
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 浩資 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 制振構造 / 設計手法 / ダンパー / 変位依存 / 速度依存 / 簡易応答評価手法 |
Research Abstract |
本研究課題は,制振技術のさらなる普及・発展に寄与すべく,様々な制約条件に対する制振構造の適用範囲や性能を明らかにし,実務的な観点から設計用資料を構築するための詳細な検証を行うことを目的とし,主として以下の2点を研究対象と考えている。 1.変位依存型制振デバイス・架構の現実的な制約を考慮して制振構造の性能限界を解析的手法により究明する。 2.変位依存型・速度依存型の制振デバイスを用いた制振構造の包括的な応答評価法・設計手法を提案する。 「パッシブ制振構造設計・施工マニュアル(日本免震構造協会編)」が昨年度発行に至ったが,今年度の研究成果としては,世界学会において,同書で採用された本研究課題(上記1)の設計手法およびその理論的背景ついて,学術的観点から再構成して発表を行った。 これは,架構と弾塑性ダンパーからなる制振構造を一質点系として捉え,その構成要素と制振性能を関連づける「性能曲線」を示しながら,制振効果に関し拡張した議論を行う。さらに,架構の高さや剛性分布,目標応答値の大小,地震波の位相やスペクトル形状,弾塑性挙動における高次モード,初期減衰のモデル化など様々な要因を新たに考慮し,多質点系のダンパー設定法にまで展開する。 また,この設定法は,高さ方向に適度な剛性分布をもつ架構から,上層か下層が変形し易い剛性分布をもつ架構までを対象とし,ある地震レベルで目標とする最大層間変形角を各層で一様に満たすため必要なダンパー量を層ごとに決定し,層間変形角と塑性率の両者を同時に制御することを目的としている。 4層、10層、20層の高さで実建物を想定した架構や異なる剛性分布をもつ架構を例として、まず一質点系として「性能曲線」から目標応答に即したダンパーの必要量を決め、それを多質点系に変換することで各層のダンパー設定を行い、模擬地震波や実地震波を用いた多くの時刻歴解析によりその妥当性を示す。
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Research Products
(3 results)