2003 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア家族福祉運動におけるイブイズムと近代的<女性>主体の形成
Project/Area Number |
03J52411
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Research Institution | Ochanomizu University |
Research Fellow |
平野 恵子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 開発 / 国民国家 / ジェンダー / 母性主義 / 家族 / 運動 |
Research Abstract |
1.運動の理論的検討: 上記の研究課題に取り組むにあたり、本年度は研究課題の分析枠組みを構築するための理論検討をおこなった。第一に、社会運動理論の中の「動員」と「参加」の問題整理、この第二に、フェミニズム理論の分野での主体形成に関する先行研究の整理。特に、後者については、「動員」されながらもその過程で個人の新たな主体を形成していく人々の「日常実践」をどう評価するかが今後の課題として導き出された 2.フイールド調査: 8月にFASIDフィールドワークプログラムに参加しインドネシアスラウェシ島に滞在。ホームステイをしながら滞在村で公衆衛生、家族福祉運動に関し、質問項目をもとにした面接調査をおこなった。また1月30日から10日間同村に滞在、追加調査し、都市ジャカルタとの比較をおこなつた。3月には、ジャカルタで、1)インドネシア総選挙におけるNGOの問題関心と活動実績、2)主要メディアでのジェンダー問題の取り上げられ方、について資料収集とインタビュー、参与観察をおこなった。また、来年度からの本調査のため統計やインタビューにより調査地を選定した。 3.研究成果: 1)FASIDのフィールドワークプログラム以上の研究成果は、FASIDにwriting paperとして提出された。2)修士論文を、社会運動理論の「動員と参加」の分析枠組みを使用して加筆修正した。論文題目は、「『動員』と『参加』-インドネシア家族福祉運動を事例として」3)同じく修士論文を加筆修正し、主婦言説に注目したものとして、「家族国家の家族福祉「運動-イブイズムという言説」4)FASIDフィールドワークの成果として「イブたちの毎日」を執筆した(『インドネシア民主化支援ネットワーク ニューズレター』(インドネシア民主化支援ネットワーク、2003年12月号、pp.1)。
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