2004 Fiscal Year Annual Research Report
情報システムと組織とのかかわり-特にその相互作用と発展のメカニズムについて-
Project/Area Number |
03J52431
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
首藤 聡一朗 一橋大学, 大学院・商学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | IT導入 / 組織改革 / 業務プロセス改革 |
Research Abstract |
本年はまずミスミとアスクルという二つの企業に関して調査いたしました。共にITも上手く活用して情報を非常に有効に蓄積し、利用している企業です。この二つの調査を通じて組織がITを上手く利用するためにはどのような配慮や手立てが必要なのか、ということを学ぶことが出来ました。 また、これまでの研究成果をまとめ組織学会にて発表いたしました。この発表は私がこれまで考えたことを整理し、これからの方向性を定める良い機会になりました。 それまでは、ITと組織の関係という漠然とした焦点しか持っていなかったのですが、そうではなくIT導入によって組織がどのように変わるか、IT導入の事実が組織の人々及び人々の相互作用にどのような影響を与えるのか、という事に焦点を当てるべきだ、という事に気付かされました。 さらに複数のIT導入コンサルタントと導入企業に聞き取り調査を行いました。それらの聞き取り調査を通じて自分の研究の方向性が間違っていないことを再確認し、また拝聴した事実に触発され、まだまだ荒削りながら、仮説を構築していくことが出来ました。 その仮説とは、IT導入の効果はITそのものの性質によるものだけではなく、むしろIT導入という社会的事実が人々の相互作用に与える影響から生じるものの方が大きいのではないか、ということです。具体的には、IT導入の際にそれまで潜在的であった問題点やその解決法が明らかになることで情報や業務の流れが大きく改善する、あるいはIT導入を政治的に利用してそれまで懸念ではあったが実行することができなかった問題点を解決する、そのようなことの影響が非常に大きいのではないか、ということです。 引き続きIT導入の関係者に聞き取り調査を行うとともに、仮説を精緻化し論文としてまとめようと考えております。
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Research Products
(1 results)