2005 Fiscal Year Annual Research Report
情報システムと組織とのかかわり-特にその相互作用と発展のメカニズムについて-
Project/Area Number |
03J52431
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
首藤 聡一朗 一橋大学, 大学院・商学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 情報システム / 組織論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、情報システムを導入する際に組織の人々がどのように相互作用して組織の新しい形を形づくっていくのかを明らかにすることである。その際、情報システムの存在が組織の人々の行動及び相互作用に与える影響に特に注目する。情報システムを組織の新しい形を支える土台としてだけではなく、その存在が人々に多大な影響を与えるものとしてみるのである。 本研究は、実際に情報システム導入に携わった方々に対する聞き取り調査をもとに行われた。情報システム導入企業・ベンダー・コンサルタント等、様々な立場で情報システム導入に関わった人々に調査に協力していただいた。 本研究によって得られた新しい知見としては三つのものがある。一つめは、情報システム導入の際にはその情報システム以外のところから大きな効果が生じることが実際にあるということだ。極端な例では、情報システム導入前にその準備活動だけで非常に大きな効果をあげている企業もある。 二つめは、その情報システム以外のところから生じる効果は組織の変革から生じているということだ。ここでいう組織の変革とは組織の線引きの変更、ルーチンの見直しと再構成などのことである。重要なのは、この変革は情報システムに合わせて組織を変えるという変化ではない、ということだ。情報システム導入はきっかけにすぎない。変革の本質は組織の人々が改めて自らの組織の在り方を縣命に見直すということにある。 三つめは、その変革を行おうとする人々に対して情報システムの存在が大きな影響を与えているということだ。その影響には、二つのものがある。きっかけと規律である。きっかけを与えられることで、それまで省みられなかった組織の在り方が再考されるようになる。そして、規律が与えられることにより、再考の際の人々の相互作用がまとまりやすくなるのである。
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Research Products
(3 results)