2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J52531
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 淳考 浜松医科大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | photodynamic therapy / glioma / singlet oxygen / 5-aminolevulinic acid / brain tumor / monitoring / photobleaching |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍に対する光線力学療法(Photodynamic therapy : PDT)において、発生する一重項酸素が重要な働きをすると考えられている。PDT中における一重項酸素のモニタリングをすることにより、適切な照射条件が決定され、治療効果を高め、また、過剰照射による脳浮腫を軽減することも可能となる。今回、近赤外微弱検出法を用いてPDTにおける一重項酸素のモニタリングの可能性についてラットグリオーマ細胞、ならびにラット皮下腫瘍モデルを用いて検討した。【方法】ラットグリオーマ細胞株(9L)を5-aminolevulinic acid(5-ALA)を含んだmediumで4時間培養後、YAG-Dye レーザー光(635nm)を用いてさまざまな条件で照射し、その間の発生した一重項酸素のモニタリングを行った。照射後、MTT assay法にて、viabilityを比較検討した。さらに、ラット皮下腫瘍モデル(9L)に5-ALA(100mg/kg)を尾静脈投与し、PDTを施行。その間の一重項酸素のモニタリングを行った。【結集】一重項酸素は、80mW/cm^2では、peakは低いもののphotobleachingが少なく、持続的な発生を認めたが、240mW/cm^2では、peakが高いが、bleachingが著明であった。一重項酸素の総和は、fluence rateが低いほど多く発生し、結果的に高い殺細胞効巣が得られた。さらに、ラット皮下腫瘍モデルにおいても同様な傾向が得られた。【結語】今回のモニタリングによって、一重項酸素は、photosensitizerのbleachingにより発生量が変化していることがわかった。また一重項酸素の発生量と殺細胞効果の関連が示唆され、この手法は、PDTのメカニズムの解明、PDTのレーザー照射における最適条件の決定など、極めて有用であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)