2003 Fiscal Year Annual Research Report
ロドコッカス属細菌によるキラル化合物生産法開発のための基盤的研究
Project/Area Number |
03J52691
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦野 信行 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロドコッカス / エフェドリン / 立体選択的不斉還元 / 酸化還元酵素 / アミノアルコール / 発現調節機構 |
Research Abstract |
本年度はRhodococcus erythropolis MAK154株の生産するdl-1-phenyl-1-keto-2-methylaminopropaneを立体選択的にd-Ψ-Ephedrineへと変換する酵素MAK reductase (Amino-alcohol dehydrogenase)の遺伝子発現調節機構の解明と本酵素の高発現菌株の育種を目指して研究を行った。 発現調節機構の解明に先立ち、本酵素遺伝子の周辺配列およそ6kbをクローニングし、その塩基配列の決定を行った。この断片内には種々の生物の制御蛋白質と相同性を示すORFが存在しており、目的酵素の発現に関与しているか否かを解明するため本ORFの破壊株を作成し目的酵素の活性測定を行ったが、活性に影響は見られず、本ORFは目的酵素の発現調節に関与しているものでは無いと結論した。また、クローニングした断片中のMAK reductase遺伝子をレポーター遺伝子であるβ-galactosidase遺伝子に置換し、ロドコッカス属-大腸菌シャトルベクターであるpK4に連結、本プラスミドにより本菌株を形質転換した。この組み換えた菌株においてβ-galactosidase活性を測定したが、対照として用いた組み換え菌株との間に有意な差は確認できず、このクローニングした断片内には本酵素遺伝子のプロモーター領域等の発現制御に関わる領域すべては含まれていないことが判明した。今後、本酵素遺伝子の更に広域に渡る周辺領域の配列を決定し、本酵素の転写調節因子群の解析を予定している。 また、本酵素を大量発現するために、プロモーター探索ベクターを用い、本菌株より強力なプロモーター配列の取得を試みている。この過程において、本菌株内においては大腸菌のtacプロモーターの制御により遺伝子の発現が行える事が明らかとなった。
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