2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロドコッカス属細菌によるキラル化合物生産法開発のための基盤的研究
Project/Area Number |
03J52691
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦野 信行 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロドコッカス / エフェドリン / 立体選択的不斉還元 / 酸化還元酵素 / アミノアルコール / 発現調節機構 / ロドコッカス発現系 |
Research Abstract |
本年度はdl-1-phenyl-1-keto-2-methylaminopropane(dl-MAK)を立体選択的に不斉還元してd-pseudoephedrineに変換する酵素である勘Rhodococcus erythropolis MAK154株由来のaminoalcohol dehydrogenase(AADH)の遺伝子発現調節機構の解明と本酵素の高発現菌株の育種を目指して研究を行った。 R.erythropolis MAK154株のゲノム上にはaadh遺伝子のすぐ下流に多くの生物の転写調節タンパク質と相同性を示すORFが存在しており、目的酵素の発現に関与しているか否かを解明するために本ORFの破壊株を作成した。本酵素は1-amino-2-propanolによって発現が誘導される酵素であり、誘導剤非添加時にはほとんど活性は確認できないが、この破壊株においては誘導剤の非添加時にも添加時と同等の活性が見られた。また、この破壊株においては野生株のそれよりも僅かではあるが有意に高い酵素活性を示した。以上よりこのORFは本酵素の発現を負に制御する発現調節タンパク質であることが示唆された。 また、筑波大学において作成されたRhodococcus属用の発現ベクターであるpREIT19を用いて本酵素のセルフクローニング、R.erythropolis MAK154株による大量発現系の構築を行った。様々な条件検討を行った結果SDS-PAGEで明確な違いが分かるほどタンパク質が発現している事は確認できたが、酵素活性は期待ほど高くなく、酵素の不活性化あるいは何らかの阻害因子の存在が示唆された。
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