2004 Fiscal Year Annual Research Report
BMP2誘導性骨芽細胞分化過程における転写因子Osterixの機能的役割の解明
Project/Area Number |
03J52731
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松原 琢磨 大阪大学, 歯学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 骨芽細胞分化 / 転写因子 / Osterix |
Research Abstract |
BMPにより誘導され、骨芽細胞分化に必須であると考えられている転写因子Osterixの発現および機能メカニズムを解明するために実験を行い、以下の結果を得た。 (1)Osterixの機能の解明 Osterixの骨芽細胞分化における役割を検討するために、野生型未分化間葉系細胞あるいは骨芽細胞分化に必須の転写因子Runx2/Cbfa1欠損マウス由来の未分化間葉系細胞に、アデノウィルスを用いてOsterixを過剰発現させ、アルカリフォスファターゼ染色およびピクロシリウスレッド染色を行なった。その結果、野生型およびRunx2欠損マウス由来の未分化間葉系細胞のいずれにおいてもOsterixの過剰発現によりアルカリフォスファターゼ活性が上昇し、OsterixはRunx2非依存的に初期の骨芽細胞分化を誘導することが強く示唆された。また、ピクロシリウスレッド染色によりOsterixは1型コラーゲンの分泌を抑制することが明らかとなった。 (2)BMP2シグナルとOsterixの関係 OsterixとBMP2シグナルとの関係を検討した。その結果、野生型およびRunx2欠損マウス由来の未分化間葉系細胞においてOsterixとBMP2あるいはOsterixとRunx2の協調作用によるアルカリフォスファターゼ活性の上昇が認められた。 (3)Osterixに対する抗体の作成 タンパク質レベルにおけるOsterixの検索を可能にするために抗Osterix抗体を作成し、抗体の特異性ならびに力価に関する検討を行ない、作成した抗Osterix抗体はOsterix特異的に認識することを確認した。この抗体を用いたウエスタンブロッティング法により、BMP添加あるいはRunx過剰発現によりOsterixのタンパク質が発現していることを明らかにした。
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