2004 Fiscal Year Annual Research Report
セリウム化合物の純良単結晶育成と量子臨界点近傍での電子状態の研究
Project/Area Number |
03J52741
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 泰輝 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 重い電子系 / CeRhGe / CePtAl / 磁性 / 高圧 |
Research Abstract |
重い電子系の反強磁性を示すセリウム化合物の中には超伝導や特異な現象を示すものがある。その多くが近藤効果とRKKY相互作用が拮抗した常圧もしくは加圧下の量子臨界点近傍で確認されている。本研究では多結晶体を用いた加圧下での電気抵抗測定から異常な抵抗増大を示したTiNiSi型斜方晶CeRhGeの比較的純良な単結晶を、高周波誘導加熱炉を用いたブリッジマン法にて育成し、電気抵抗、比熱、磁化、磁化率、中性子散乱及び高圧下の電気抵抗測定を行なった。電気抵抗測定では加圧下において多結晶体で見られた異常な抵抗増大が常圧において確認することが出来た。さらに比熱、磁化率で見られる磁気転移も極めて明瞭であることから純良な単結晶であることが分かった。この物質は磁化、磁化率の測定から極めて大きな磁気異方性があり、これに対して結晶場計算を行なった。また中性子散乱実験を行い磁気構造の決定を試みた。決定には至らなかったが、複雑な磁気構造を示す磁気散乱を観測した。加えて加圧下の電気抵抗率測定を行なったが、多結晶体での結果とほぼ同様に結果が得られた。次にCeRhGeと同じ結晶構造を持つ強磁性体のCePtAlの単結晶をCzochralski法にて育成し、高圧下電気抵抗率を8GPaまで測定した。強磁性体の量子臨界点近傍での振舞いはよく調べられておらず、興味深いところである。強磁性転移温度は加圧とともにわずかに上昇し、5GPa付近からはっきりしなくなり、6GPa以上では電気抵抗はフェルミ液体的な電気抵抗に変貌する。5GPa付近が量子臨界圧であることがわかった。
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Research Products
(1 results)