2005 Fiscal Year Annual Research Report
セリウム化合物の純良単結晶育成と量子臨界点近傍での電子状態の研究
Project/Area Number |
03J52741
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植田 泰輝 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 重い電子系 / CePtAl / dHvA / 高圧 |
Research Abstract |
セリウム化合物の4f電子は伝導電子との混成を通して、価数揺動、重い電子系、異方的超伝導など多様な現象をひき起こすことで知られている。これらの現象はRKKY相互作用と近藤効果が拮抗した常圧もしくは加圧下の量子臨界点近傍で確認されている。本研究で圧力下で異常な抵抗増大を示すことを明らかにした反強磁性体CeRhGeと同じTiNiSi型の結晶構造を持ち、Ce化合物としては珍しく強磁性を示すCePtAlについて研究を行なった。これまでの圧力下の電気抵抗測定において、強磁性体CePtAlは狭い臨界圧力の範囲で一次の相転移を思わせる変化を示すことを明らかにした。すなわち磁気秩序が消失し、フェルミ液体的な電気抵抗に変貌する。今年度の研究では単結晶育成を数度試みた結果、残留抵抗比が100を超える極めて純良なCePtAlの単結晶が得られた。この試料とダイヤモンドアンビルセルを用いて、交流法により圧力下での比熱測定を行なった。圧力とともに強磁性転移温度T_c=5.9Kは高温へとシフトし、約10GPaでT_cは消失した。さらに常圧下でde Haas-van Alphen(dHvA)効果測定によるCePtAlのフェルミ面の研究を行なった。CePtAlのフェルミ面はバンド計算によるLaPtAlのフェルミ面と類似のフェルミ面であり、それは多重連結構造の比較的小さなフェルミ面であることが分かった。また、サイクロトロン有効質量は数m_0程度と比較的大きいことも分かった。
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Research Products
(3 results)