2003 Fiscal Year Annual Research Report
新たなる系外惑星の検出と汎惑星系形成論へ向けた観測的研究
Project/Area Number |
03J52791
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浦川 聖太郎 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 系外惑星 / トランジット法 / 惑星形成 / 自転速度 / 自転周期 |
Research Abstract |
現在の惑星系形成学では、太陽系以外の惑星系にも適用できる、汎惑星形成論を作り上げることが大きなテーマとなっている。そのため、本研究では、観測により太陽系外の惑星を検出し、その惑星の質量、軌道、半径といった物理量を知ることを目標としている。本年度は、太陽系外の惑星検出に向けて、過去に惑星が発見された恒星の特徴分析を行った。その結果、自転速度が遅い恒星のまわりに惑星が存在しやすいことを示した。この結果について、2003年日本天文学会秋季大会(愛媛大学)、2003年日本惑星科学会秋季講演会(大阪市立大学)、2003 East Asian Young Astronomer Meeting(台湾)で発表した。現在、論文投稿準備中である。 また、観測による新たな太陽系外惑星検出を目指して、2002年9月にすばる望遠鏡で撮像されたおよそ10万個の恒星のデータ解析を行った。本研究では、トランジット法という、惑星が恒星を掩蔽することで起る、恒星のおよそ1%の減光を検出する方法を採用している。本年度は、この1%の減光を検出するための、解析アルゴリズムの構築を行った。構築したアルゴリズムを用いると、すばる望遠鏡で撮像された恒星のうち、およそ7000個がこの精度を達成していることが分かった。この結果について、第64回西はりま天文台コロキウム(西はりま天文台)で発表した。このアルゴリズムを用いた、観測データの解析結果は2004年地球惑星科学合同大会で発表を予定している。
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