2003 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル小売企業の中国進出と中国流通業の構造変化に関する研究
Project/Area Number |
03J52831
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石 瑾 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | グローバル小売企業 / 中国進出 / 小売経営資源の展開 / 競争優位 / 国際展開 |
Research Abstract |
まず、小売の国際化に関する既存理論の整理を行った。具体的に、小売の国際化を「新興市場における小売経営資源の展開プロセス」として捉え、本国市場と複数の進出市場間での資源流動を1つの枠組みで議論することを可能にした。また、小売国際化に関する市場主体を明確にしていなかった既存研究の欠点を踏まえて、小売経営資源の移転プロセスに関与する市場主体およびその間の相互作用を明らかにした。その小売国際化に関する理論の整理結果は2003年6月の日本商業学会関西部会定例会ジュニア・セッションで発表した(タイトルは「小売経営資源の国際移転について」)。 一方、今までの実施したフィールドワークで得た情報や収集した二次データ-に基づき、「カルフールの中国市場参入から見たグローバル小売企業の競争優位」という論文(「流通研究」に投稿中)を完成し、カルフールの中国市場の参入方法および動態的なプロセスを記述し、グローバル小売企業の強みを分析した。 さらに、代表的なグローバル小売企業の中国市場での経営実態を明らかにするために、カルフール(仏)、ローソン(日)とイトーヨーカ堂(日)の3社を対象にフィールドワークを実施した。具体的に、2004年3月10日から25日にかけて、中国の上海、北京と無錫で3社の経営者を対象にインタビューを行い、当該企業の中国市場進出の動機、経緯および現在の経営実態について聞き取り調査を実施した。現在、インタビューで収集した情報やデータ-を整理する作業を行っているのである。
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