2004 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム画像解析を中心とした核内受容体の転写制御機構の解析
Project/Area Number |
03J52901
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
呉 茵 九州大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核内受容体 / 転写制御 / GFP / 生活習慣病 / 転写共役因子 / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
1.転写抑制因子N-CoRによるステロイドホルモン受容体の機能制御 蛍光タンパク質であるGFPあるいはYFPと、N-CoRあるいはアンドロゲン受容体(AR)との融合タンパク質を用いて、細胞内動態を調べたところ、N-CoRはARのリガンドであるDHT存在下でARと共局在し、核内でfbciを形成した。またFluorescence Recovery After Photobleaching (FRAP)解析の結果、ARを共発現させることで、N-CoRの核内でのmobilityが低下した。欠損タンパク質を用いた免疫沈降などの実験から、N-CoRおよびARはN末端同士で結合することが明らかになった。またN-CoRはARのN/C interactionを阻害するため、これが転写抑制の一つの要因である可能性が示唆された。 2.Tobタンパク質によるAR, ERの転写活性化の抑制 骨芽細胞分化の負の制御因子であるTobタンパク質が、ステロイドホルモン受容体の転写活性化にどのように影響を及ぼすかを調べた。Tobタンパク質は骨芽細胞においてAR, ERによる転写活性化を抑制し、ARと複合体を形成することが明らかになった。またTobタンパク質は、ARの核内foci形成を抑制した。 3.Runx2によるステロイドホルモン受容体の転写活性化の抑制 骨芽細胞分化に必須であるRunx2タンパク質が、AR, ER, GRを介する転写活性化を抑制することを明らかにした。共焦点レーザー顕微鏡を用いて細胞内動態を調べたところ、Runx2の共発現によって、ARの均一な細かいfociは崩れ、Runx2の核内dotに近いパターンを示した。以上のことから、Runx2によって、ARが正常なコンパートメントに局在できなくなったため、ARを介する転写活性化の阻害が起こったものと考えられた。
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Research Products
(1 results)