2005 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム画像解析を中心とした核内受容体の転写制御機構の解析
Project/Area Number |
03J52901
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
呉 茵 九州大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核内受容体 / 転写制御 / アンドロゲン受容体 / 転写抑制因子 / GFP |
Research Abstract |
1.転写抑制因子N-CoRによるアンドロゲン受容体(AR)の機能制御 昨年度までに、N-CoRステロイドホルモン受容体と結合して、その転写活性化を抑制し、リガンド依存性にARのコンパートメントにリクルートされることを明らかにした。今年度は三次元画像構築法を用いて、ARの核内のfociの定量化を行った。ARの核内foci数は、N-CoRの発現によって阻害されるが、TIF2などの転写促進因子を共発現させると、foci数は回復した。N-CoRの欠失ミュータントを用いた解析からN-CoRの中央部分(アミノ酸1134-1798)が、ARとの結合および転写活性化抑制の両方に重要であることがわかった。またN-CoRによるARのN/C結合を阻害が抑制のメカニズムの一つと考えられ、転写促進因子と競合することが示唆された。 2.アンドロゲン不応症(AIS)患者由来の変異型アンドロゲン受容体の細胞内動態の解析 AIS患者由来で、DNA結合ドメインに変異を持つARについて解析したところ、野生型のARと異なり、細胞質のミトコンドリア近傍に大きなドットを形成した。変異型ARも核内にドットを形成するが、野生型と比べると数が少なくサイズが大きかった。また変異型ARは核内のmobility低下を認めた。このような変異型ARにおける細胞内動態の異常が、AIS発症の原因であることが示唆された。 3.TZFタンパク質によるARの転写活性化抑制 精巣で特異的に発現するZnフィンガータンパク質TZFの欠失ミュータントを用いた解析の結果、TZFの中央部分(512-663)が、ARとの結合、転写活性化抑制、ARとの共局在に重要であることがわかった。また、TZF複合体はヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)活性を有しており、このHDACを介してARの転写活性化をすることが示唆された。
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Research Products
(2 results)