2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J52951
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 啓太 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ルシファーイエローCH / 内向き整流性K+チャネル / 遅延整流性K+チャネル / AMPA受容体チャネル / 光酸化 |
Research Abstract |
ルシファーイエローCH(LY)を細胞機能制御薬として使用可能とするため、本計画では、味蕾細胞のモデルとして培養神経細胞を用い、培養神経細胞に発現している各種電位依存性チャネル(遅延整流性および内向き整流性K^+チャネル、Cl-チャネル、Ca^<2+>チャネル)および各種神経伝達物質受容体チャネルに対するLYの作用を調べた。 私達は、マウス培養海馬神経細胞内に注入したLYに対する光照射(4850 lx)が電位依存性内向き整流性および遅延整流性K^+チャネル電流を増強すること、しかし、HVA-Ca^<2+>、Cl^-チャネル電流は変化させないこと、を発見した。細胞内に導入したLYを4分間光照射することによって、内向き整流性K^+チャネル電流の大きさは1.6倍増加した。遅延整流性K^+チャネル電流の大きさは1.4倍増加した。 さらに、私達は、神経伝達物質受容体チャネルにおいて、AMPA受容体電流の不活性化過程を遅延すること、しかし、NMDA、カイニン酸受容体電流は変化させないこと、を発見した。AMPA受容体電流の定常状態成分が2.9倍増加した。一方、LYは、N1E115細胞のセロトニン受容体(III型)電流を変化させなかった。 2種の電位依存性K^+チャネル電流およびAMPA受容体電流に対する班の作用は、1mMジチオスレイトールに細胞を前もって10分間浸漬することで防止できた。 これらの結果は、電位依存性チャネルおよび神経伝達物質受容体チャネルのLY感受性が異なることを示し、一部の電位依存性チャネルや神経伝達物質受容体の細胞内部分に、LYラジカルの作用するアミノ酸配列が存在することを示唆する。LY作用を受けるイオンチャネルを明らかにすることで、DYが光という制御可能な因子で細胞の機能に影響を与えることから、この性質を細胞ネットワークの研究に利用できると考えた。
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