2003 Fiscal Year Annual Research Report
正常プリオン蛋白シグナルの解明とプリオン病の治療法開発のための基礎研究
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03J52961
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉川 大介 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PrP / 会合分子 / オクタペプチドリピート |
Research Abstract |
PrPとの会合分子を同定するために、先ずpAPtag-5 vectorのalkaline phosphatase(AP)遺伝子の3'末にPrP遺伝子を導入し、APとPrPを融合させたAP-PrP融合蛋白を、培養細胞を用いて大量に作製した。この融合蛋白AP-PrPを神経細胞、繊維芽細胞、上皮細胞などの様々な培養細胞と反応させ、APの基質を加えて染色した結果、全ての細胞で強い染色が観察された。この結果はPrPとの結合分子が様々な細胞で発現していることを示した。また、特異的な染色は核周囲に強く認められた。 さらに、PrPのどの領域がこの結合に関与しているかを検討するために、様々なPrPの領域を欠損する蛋白とAPとの融合蛋白を作製したAP-PrP23-120はPrPのN末半分のアミノ酸23-120までの融合蛋白てあり、AP-PrP23-120ΔORはAP-PrP23-120からPrPに特異的に存在するオクタペプチドリピート(OR)を欠損する融合蛋白、AP-PrP50-120は、23-120のうちN末側を欠損する融合蛋白、AP-PrP23-90はPrPのC末の91番目以降のアミノ酸を欠損させた融合蛋白、さらにAP-PrP121-231はPrPのC末領域とAPの融合蛋白てある。これらを、神経細胞と反応させ、同様な染色を行った。神経細胞は球状の構造をとるC末領域との融合蛋白では染色されず、特異的な構造を有しないN末領域との融合蛋白で染色された。さらに、PrPに特異的なORを欠損するAP-PrP23-120ΔORでも染色された。しかし、AP-PrP23-90、AP-PrP50-120では、反応が認められなかった。すなわち、PrPの結合領域はN末に存在し、ORを除いた23-50と90-120の2つの領域が結合に必要であることを示した。
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