2003 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物上皮細胞における極性タンパク質PAR-1の機能解析
Project/Area Number |
03J53001
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
平田 真樹 横浜市立大学, 医学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 細胞極性 / シグナル伝達 / 細胞接着 / aPKC-PARシステム |
Research Abstract |
aPKCによるPAR-1/MARK2の活性阻害の分子機構を明らかにすることを目的として、in vitroにおいてCOS細胞に高発現後、精製したPAR-1/MARK2を精製aPKCでリン酸化した場合のPAR-1/MARK2の活性について検討した。結果は予想とは異なり、PAR-1/MARK2のThr262のリン酸化に依存したtauSer262リン酸化活性の有意な低下は見られなかった。一方、この系に14-3-3/PAR-5を加えたところ、aPKCによるリン酸化によりPAR-1/MARK2のtauSer262リン酸化活性が抑制された。すなわち、aPKCがPAR-5/14-3-3と協調してPAR-1/MARK2の活性を制御していることが示唆される結果が得られた。現在さらに詳細にこの活性制御機構について解析を行うために、バキュロウイルスを用いてPAR-1/MARK2の大量精製を行う準備を進めている。 また、PAR-1/MARK2の上皮細胞における機能について解析を進めるために、上皮細胞におけるPAR-1/MARK2の新規結合タンパクの検索を行った。上皮細胞であるMDCK細胞において誘導後にHA-PAR-1/MARK2を発現するstable細胞からHA-PAR-1/MARK2を免疫沈降した結果、400kDa、13kDaに共沈降してくるタンパクがあり、さらにこれらはPAR-1/MARK2免疫沈降液中でリン酸化される可能性が示唆された。これらPAR-1/MARK2との相互作用が期待されるタンパクは、PAR-1/MARK2のターゲット分子、もしくはPAR-1/MARK2の局在化に必要な分子であることが期待される。現在これら分子について質量分析による解析を依頼中である。
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