2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規樹状細胞活性化分子の同定とヒト樹状細胞の活性化機構の解明
Project/Area Number |
03J53041
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 陽子 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 樹状細胞 / 成熟因子 / BCG-CWS / OK432 / サイトカインカクテル / HSV |
Research Abstract |
1)本研究では、樹状細胞新規活性化分子を同定するために、ヒト末梢血CD14陽性単球細胞より誘導した樹状細胞(DC)を用いた。CD14MACS beadsを用いることにより、末梢血より単球を分離し、サイトカイン(GM-CSF/IL-4)の存在下で5〜7日間培養した。その後、各免疫活性物質を添加し、48時間後の表面マーカー(CD83,CD80/86)の変化、dextranによる貪食能をFACSで測定、IL-12の産生能はELISAで測定した。免疫活性物質としては、Imidazoquinolines,BCG-CWS,OK432,サイトカインカクテル(TNF-α/IL-1β/IL-6)を用いた。Imidazoquinolineは表面マーカーの上昇、IL-12の産生は低かった。BCG-CWS(10ng/ml)では、添加後、表面マーカーの上昇、貪食能は添加前の50%程度の低下を示したが、完全に失われることはなかった。同様に、OK432,サイトカインカクテルの添加では、ともに表面マーカーの変化は認められたが、IL-12の産生はOK432のみであった。サイトカインカクテルでは表面マーカーは強発現するが、IL-12の産生が低く、逆に、OK432は表面マーカーの変化は低いが、IL-12の産生は高いことより、この両者を併せてDCを成熟させた結果、高発現の表面マーカー、IL-12の高産生の成熟DCを得ることができた。今後はサイトカインカクテルとOK432を組み合わせによるDCの貪食能の時間的変化、移動能を明らかにする。さらに、抗原提示細胞としての機能であるallo T cellsへの刺激能、及びTh1/Th2への誘導能の検討を行う。 2)本研究では不活化HSVによるDCの活性化機構の解明を行った。その結果、不活化HSVによる、表面マーカーの上昇、IL-12の産生、allo T cellの活性化は認めることはできなかった。今後は、HSVの構成成分である膜タンパク(glycoprotein B,C,H,Kなど)やDNAによるDCの活性化を試み、HSVのTLRを介した分子の解明を行っていきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Ueda, M Hagihara, S Katou, T Hotta, et al.: "Frequencies of dendritic cells (myeloid DC and plasmacytoid DC) and their ratio reduced in pregnant women : comparison with umbilical cord blood and normal healthy adults."Hum Immunol. 64・12. 1144 (2003)
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[Publications] Y.Ueda, M Hagihara, S Katou, T Hotta, et al.: "The effects of alphaGalCer-induced TCRValpha24 Vbeta11(+) natural killer T cells on NK cell cytotoxicity in umbilical cord blood."Cancer Immunol Immunother. 52・10. 625 (2003)
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[Publications] 上田陽子: "最新医療シリーズ「肝・胆・膵の最新医療」"最新医療技術研究所. (2003)