2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規樹状細胞活性化分子の同定とヒト樹状細胞の活性化機構の解明
Project/Area Number |
03J53041
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 陽子 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 凍結樹状細胞 / CTL / PCDH |
Research Abstract |
本年度は、臨床用凍結樹状細胞の調整法の確立とin vitro CTL誘導法による新規ヒト腫瘍抗原同定を試みた。 1)臨床試験用凍結樹状細胞の調整法の確立 昨年度までに日本で初めてCliniMACS法により調製した臨床用の樹状細胞(以下DC)の誘導法の確立について報告してきた。本年度はいっそう臨床に適したDCの調製法の確立を目指し、凍結cliniMACS-DCについて検討したので報告する。従来法では投与までに7日間有するため投与日程の調整が必要であった。この問題点を解決するためDCの凍結融解を試みた。健常者3例で凍結融解後のDC調製効率を、単球回収率・純度、DC回収率・純度・成熟能、貪食能、抗原提示能、再現性、作業効率などの点で検討した。高純度凍結DCの安定調製は確認できたが、抗原提示能、貪食能が従来法と比較して低下していた。臨床用は投与後の高い抗原提示能や貪食能を必要とするため凍結融解DCは使用しがたい。今後新たな誘導法の検討を行い、より臨床応用に適した樹状細胞の誘導法の検討を試みる。 2)従来法で誘導されたDCを用いたin vitro CTL誘導法による新規ヒト腫瘍抗原の同定 誘導されたDCを用いてCD8陽性T細胞のエピートープの同定をはかった。gene chipを用いて遺伝子の網羅的に解析を行い、肺ガン細胞に高発現するprotocadherin(以下PCDH)を同定した。PCDH対するCTLの誘導を試みた。その結果PCDH由来ペプチド(P452)に対するIFN-γの産生および特異的に殺傷するCD8陽性T細胞を誘導できた。ペプチド(P452)に特異的なIFN-γ産生はHLA-A24トランスジェネテックマウスを用いた系でも確認された。今後は癌患者からも同様のT細胞が誘導できるかどうか詳細な免疫学的解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)