2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J53061
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松村 初 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グラフ理論 / 閉路 / 極値問題 / 点素 / 部分グラフ |
Research Abstract |
今年度は「2部グラフにおける頂点と辺を指定した場合の閉路分割」を中心に取り組んだ。条件として、次数和条件を考えた場合は、頂点と辺の場合のみならず、その拡張である「線形林を指定する」場合も部分的に解決することが出来た。最小次数条件を考えた場合については閉路の存在性を示すことは出来たが、分割になることまでは示すことができなかった。しかし、問題の鍵となる部分の絞込みがある程度出来、来年度につながる研究であった。また、線形林を指定した場合の未解決な部分の研究から、「2部グラフにおける頂点数が奇数のパスを指定した場合の閉路分割」という新しい問題もうまれた。この手の問題はこれまでにあまり取り組まれていない問題であり、来年度以降取組んでいきたいと考えている。 昨年度からの研究で、「独立数と点素な閉路の存在に関する問題」と「3頂点次数和条件と点素な閉路の存在に関する問題」という2つの問題についても今年度取り組んだ。独立数の問題については、取り組んでいた予想に関する部分的な解決と新たな問題の提起を行なった。3頂点次数和の問題については、完全な問題解決に至った。双方の結果を9月にスロバキアで行われた「Workshop Cycles and Colourings」で研究発表を行ない、海外の研究者との意見交換や議論も出来、非常に有意義であった。 閉路による分割は各成分が閉路からなる全域部分グラフである、という見方も出来る。その観点から、考えている問題を「閉路分割」から「ある特定の性質をもつ全域部分グラフ」ととらえて全域木に関する研究も新たに行なった。この分野も手つかずの問題も多く、来年度も取組んでいきたいと考えている。
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