2003 Fiscal Year Annual Research Report
運動療法に取り組む虚血性心疾患患者を対象とした患者主導の援助プログラムの開発
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03J53131
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
山西 緑 聖路加看護大学, 大学院・看護学研究科博士後期課程, 特別研究員(DC1)
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Keywords | People-centered care / 市民主導型の健康生成 / 心臓リハビリテーション / 運動療法 / 虚血性心疾患 / 文献レビュー / 健康増進 / 主体的な取り組み |
Research Abstract |
本研究は、運動療法に取り組む虚血性心疾患患者を対象とした患者主導の援助プログラムを開発することを目的とし、人々が主体的に健康を生み出し増進するという、市民主導型の健康生成(People-Centered Care)に即した看護に関する概念的なモデルを検討するものである。本年度は統合的な文献レビューを目標とし、CINAHLを中心とした国内外のデータベースから、心臓リハビリテーションおよび運動療法に関する文献、People-Centered Careに関する文献を検索・収集し、それらを対象にRodgers(2000)の概念分析アプローチを基盤とした分析を行った。概念分析の結果、People-Centered Careは、看護学、医学、心理学、社会学において包括的な概念として取り扱われていることが明らかとなった。また、People-Centered Careとは、人々が主体となり、専門家と協働しながらコミュニティにおける健康を増進していくことと定義づけられた。概念的な意味の共通性は、1.人々が健康を保持増進し、その人らしい質の高い生活を送るためには、個人はもとよりコミュニティ全体で健康や社会に関連した問題に取り組むことが必要であること、2.人々は、自らがヘルスケアに関わる選択や決定をする権利を持っており、それは尊重されなければならないものであること、3.疾病構造の変化や社会における変動は、人々にとって、個人の努力だけで対応することが難しいものの、People-Centered Careの結果、健康やヘルスケアの質が向上し、エンパワーメントが高まることで、コミュニティ全体の発展につながること、であった。以上のことから、看護師をはじめとする医療の専門家は、患者と協働しながら、人々がコミュニティにおいてより健康を志向した取り組みができるような環境を作り上げていくことが重要であると推察された。
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Research Products
(2 results)