2004 Fiscal Year Annual Research Report
SOI基板上ナノ電子デバイスの研究とそのナノ・バイオ分析システムへの展開
Project/Area Number |
03J53171
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
中島 義賢 東洋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | silicon-on-insulator(SOI) / キャリアライフタイム / silicon-on-quartz(SOQ) |
Research Abstract |
本研究は、ナノエレクトロニクスにおける高集積化、高速化、低消費電力化、高機能化の限界を、SOI基板上ナノ電子デバイスにより打破するための要素技術を確立し、なおかつそのナノ・バイオ分析システムへの展開の可能性を模索することである。 本年度は、以下の2点に的を絞って研究を行った。 (1)デバイス・システムの集積化基板として用いるSOI基板の電気的特性評価 SOI基板におけるキャリアライフタイムのメカニズムについて解明すべく、基板上にボディ端子付のMOSFET (Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を作製し、ボディ電流から基板のトラップ準位のキャリア再結合寄与分を評価する方法を提案し、評価を行った。 論文は2件発表済である。 (2)高性能LSIへ向けたSOQ MOSFETの有用性の実験的検証 これまでの研究では、SOI MOSFETを完全空乏型から完全反転型にすることにより、ゲート電界が反転層形成に効率よく利用され、その結果として短チャネル効果が有効に抑制されることを示してきたが、今回は、Silicon On Quartz (SOQ)基板を用いることによりゲート電界の効率がさらに向上できることを提案し、その有用性を検証した。 SOQ基板においてはSOI基板と異なり埋込酸化膜下のイオン化不純物に終端する電気力線が無くなる分、ゲート電気力線が反転層形成に有効に使われることになる。結果として、SOQ MOSFETの電気的特性は向上し、携帯電話やノートパソコンに代表されるモバイル機器で要求される低消費電力化を実現するための手法の1つとして有用であることを実験とデバイスシミュレーションにより示した。 現在論文作成中である。
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Research Products
(4 results)