2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J53241
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
川名 清三 東京工芸大学, 工学研究科・建築構造II研究室, 特別研究員DC1
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Keywords | 風振動 / 居住性 / 視覚因子 / 振動知覚 / 不快感覚 |
Research Abstract |
1.実建築物での居住性に関するヒアリング調査の実施 実建築物で風振動が発生した場合、居住者が振動に対しどのような感覚を抱くのかを把握するために、新宿にある実高層ビルの風振動実測と同時並行で、振動感覚に関するヒアリング調査を3回実施した。その時に応じて振動様相が異なるため、今後更なる継続実施を行っていく。 2.他分野の動揺症・重心動揺関連の文献調査 実験的研究のテーマは、建築物の風振動時の視覚的な振動知覚因子を考慮した振動の知覚及び振動が原因となる不快症状に関する研究に主眼を置いている。この二つのテーマに関しては建築学分野では研究事例が少なく、医学・心理学・生理学・鉄道工学・造船学・映像工学など、多数の領域で有効な先進研究が多数ある。これらの研究論文及びデータの収集に相当の時間を費やした。 3.室内視覚因子の振動知覚への影響に関する研究 視覚因子が実環境下において振動知覚にどの程度影響を及ぼすのかを調べる研究である。視覚因子が原因の振動知覚は以下の三点で説明できるが、既往研究では(1)の考慮がされていない。 (1).振動物体を見ていた時間 (2).振動知覚者と振動物体までの距離および振動物体の振動振幅 (3).物体の輝度 実環境下では、振動知覚に影響を及ぼす視覚因子として共通した物が存在する。実建築環境での(1)と(2)がどのようになっているのかを調査するため、被験者に実オフィス・住宅空間で通常活動中にCCDカメラを装着してもらい、視覚因子の録画分析を行っている。同時に(3)の計測も行っている。 4.室内視覚因子の不快感覚への影響に関する研究案 既往の振動に関する視覚因子の不快感覚への影響の研究事例も極めて数が少ない。そして、この既往研究では以下のような問題が残っている。 (1).視覚因子の再現性が不十分 (2).視覚因子として考えられる物全てを考慮した上での実験ではない (3).実環境では振動暴露を受ける人は、視覚因子を必ずしも見ている訳ではないが、被験者は実験中に視覚因子に向かった姿勢をしており不自然 こうした問題を解決するために視覚因子の振動による不快感覚への影響に関する振動台実験を計画している。 1.3.の調査は実オフィス・住宅空間の利用および被験者の実験参加の同意をえた上で行っている。被験者のプライバシー保護について、十分配慮を行う同意をえている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 川名 清三, 久田 嘉章: "高層建築物の風振動観測と振動体感の実地調査"2003年度大会(東海)日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造I. 175-176 (2003)
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[Publications] 川名 清三: "風振動の高層建築物の居住性性能に関する研究"非定常空気力学懇談会・構造物の空気力研究会(AHLOS)における研究発表.