2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J53241
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
川名 清三 東京工芸大学, 工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 居住性能 / 風振動 / 水平振動 / 視覚因子 / 目視時間長 / 振動知覚 / 知覚確率 / 不快感覚 |
Research Abstract |
建築空間内では体感だけでなく視覚的にも揺れを認知する。建築分野での振動覚等への視覚の影響に関する研究では、実験対象とした視覚因子のリアリティの欠如、視覚因子の目視時間長を考慮していない、窓外視覚因子のみしか考慮していない、といった問題がある。このような問題を解決するため、実建築物内での通常生活時の、振動知覚に対する視覚因子となり得る物品の目視時間長等、視覚による振動知覚に影響すると考えられるデータの計測を行った。 人の滞在時間が最も長いと考えられる住宅およびオフィスを対象に、以下の手順で視覚因子の目視時間長、距離および目視回数の計測を行った。 1)実在する建築物の居住者の顔にCCDカメラ付きメガネを装着し、通常生活時に見ている物を映像で一人80分間記録した。 2)計測を行っている間、観察者はその居室におり、部屋の平面図および対象視覚因子の配置位置と設置状況、記録開始時点からの被験者の計測居室内での居場所、姿勢、作業内容を記録した。 3)記録した映像等を元に各視覚因子が視野に入り始めてから視野から見えなくなるまでの時間長、目視時の被験者から目視した因子までの距離、および因子の目視回数を計測した。 この結果以下のような結果が得られた。 1)通常生活時の姿勢は座位が最も多い。 2)視覚因子が視野に入り始めてから視野から見えなくなるまでの目視時間長は、平均7.1秒、変動計数3.5の対数正規分布を示し、被験者の性別や年齢、居室等の違いで明確な違いがない。 3)目視時の被験者から目視した視覚因子までの距離は、計測中に被験者が滞在したオフィスの居室広さが住宅より広いため、フィスの場合の変動計数が住宅よりも大きい。しかし、平均はほぼ同じ値を示す。 4)視覚因子の目視回数は、オフィスの目視回数が住宅に比べて少ない。そして、若い世代よりも高齢世代で明らかに目視回数が少ない傾向が現れた。
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Research Products
(2 results)