2004 Fiscal Year Annual Research Report
資源管理における共同性の変容-水利・山林入会を事例として-
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03J53321
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 早苗 関西学院大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 共同性 / 生活実践 / 共有資源利用制度(CPRs) / 重層的所有観 / 境界文化 / 棚田水利 / 天水田・伏流水 / 山林入会 |
Research Abstract |
本年度は、滋賀県湖西集落における棚田水利を研究対象として、棚田地域固有の水認識と土地所有観を明らかにすることを目的として、聞き取り調査および文献収集を広くおこなった。また、日本の棚田水利および生活用水利用との比較検討に向けた基礎的作業として、海外における水の共同利用の視察もおこなった。本年度おこなった学会報告・研究会報告と海外視察は以下のとおりである。 ■学会報告・研究会報告 ・2004年7月25日から30日にかけてノルウェーでおこなわれた世界農村社会学会(International Rural Sociology Association)にて、"Reconstruction of 'state', 'communal' and 'private' Sphere in Water Management-A Case Study of Irrigation System of a Lake Side Community in Shiga Prefecture, Japan"と題する学会報告をおこなった。 ・2005年1月29日にコモンズ研究会にて、「『みえる水』と『みえない水』を利用する仕掛け-滋賀県大津市仰木町の棚田水利を事例として-」と題する報告をおこなった。 ■海外視察 ・2004年7月31日から8月19日にかけて、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オランダにおける水利関連施設の視察および文献収集をおこなった。とくにオランダは、日本やインドネシアなど東アジア・東南アジアの水利近代化の基盤を形成した国であるため、モンスーン・アジア的水利の観点からの検討を進めている。 ・2005年3月17〜25日にかけて、インドネシア南スラウェシ州ゴア県ガレトゥン地区における棚田水利の共同研究に参加した。これは、日本の棚田灌漑との比較を視野におさめたモンスーン・アジア的水利研究をおこなうための事前調査として位置づけている。
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Research Products
(2 results)