2004 Fiscal Year Annual Research Report
形態形成および癌化におけるDLG蛋白質の機能的役割に関する研究
Project/Area Number |
03J61506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 文昭 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | DLG / Tumor suppressor gene |
Research Abstract |
discs-large(dlg)遺伝子はショウジョウバエの癌抑制遺伝子として同定され、その遺伝子の変異は成虫原基細胞の異常増殖を引き起こすことが知られている。ホ乳類ホモログであるDLGは癌抑制遺伝子産物APCをはじめとする様々なシグナル伝達分子と結合し、細胞癌化への寄与が示唆されている。本研究は(1)Dlg遺伝子コンディショナルノックアウトマウスを作製し、その表現形質を解析する(2)細胞癌化において機能的重要性が示唆されているSH3、GK-like領域に結合する分子を同定、解析することで、癌発症におけるDLGの機能を包括的に明らかにしていくことを目的としている。 (1)Dlg遺伝子コンディショナルノックアウトマウスの作製 2系統由来のfloxed cloneからキメラマウスを作製した。しかし、いずれのキメラマウスにおいてもキメラ率が非常に低い為か、Germline transmissionは確認されなかった。 (2)SH3-GK-like領域に結合する因子の解析 核局在型hDLG変異体(W623K)のSH3-GK-like領域をbaitとしたYeast two-hybrid systemにより結合タンパク質の探索を行った。Human testis、Human mammary gland cDNA libraryそれぞれから、Tankyrasel、及びNuclear coactivator-62 kDa/Ski-interacting proteinをコードするcDNAを取得した。TankyraselはTelomere結合タンパク質TRF-1をADP-リボシル化し、telomere伸長反応を正に制御する因子である。取得したTankyrasel cDNA(4 clones)は、タンパク質間相互作用に寄与する領域であるAnkyrin repeatをコードしていた。hDLGはSH3-GK-like領域を介してTankyraselのAnkyrin repeatに結合し、Telomere伸長反応の制御機構に関与している可能性が示唆された。
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