2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイドな関連分析による多因子疾患の感受性遺伝子の探索
Project/Area Number |
03J61514
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川嶋 実苗 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ゲノムワイド / マイクロサテライトマーカー / 関連分析 / 多因子疾患 / 感受性遺伝子 |
Research Abstract |
今年度は、新たな疾患感受性遺伝子の候補領域探索の第一のステップとして、非血縁患者集団と対象健常集団それぞれのpooled DNAを用い、23,381個のマイクロサテライトマーカーを用いたゲノムワイドな関連解析を行うことで候補遺伝子の粗領域検出を行った。日本人ナルコレプシー患者のゲノムDNA各110名分を等量ずつプールしたpooled DNAを2プール作成し、それぞれ1stセット、2ndセットとした。同様に、対照健常者のゲノムDNA各210名分を等量ずつプールしたpooled DNAを2プール作成した。1stセットpooled DNAは1次スクリーニングのため、また、2ndセットは偽陽性を取り除くための2次スクリーニングに用いた。pooled DNAを鋳型に用いた増幅産物の解析はGeneScanソフトウェアによる自動シークエンサーによりおこなった。 患者群、対照群それぞれの1st pooled DNAを用いた1次スクリーニングの結果、3,077マーカーで少なくとも1つの統計解析法について有意差を示した。それら3,077マーカーを使用して2次スクリーニングを行った結果、339マーカーにおいて依然として有意差が確認され、また、1次スクリーニングの結果との再現性も確認できた。 pooled DNAを使用した関連解析で検出された有意差を確認するため、一次、二次両スクリーニングにおいて有意差を示し、かつ、高い再現性を示した91マーカーについて、患者95名、対照考95名の個別試料をタイピングした。その結果、少ないサンプル数で解析したにも関わらず、依然として14マーカーにおいて有意差が見られた。有意差を示した14マーカーに対して全個別試料のタイピングを行ったところ、3つのマイクロサテライトマーカー(マーカー名:NA1.3,NA2.3,NA3.4)で顕著に低いP値を示した(P<0.001)。この3領域を候補領域とし、今後、更に高密度で設定したマイクロサテライトマーカーを用いたfine mappingを行い、候補領域を狭めていきたいと考えている。
|
Research Products
(1 results)