2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J61516
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 高史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Wnt / 大腸癌 / β-Catenin / BAMBI |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続きWntシグナル伝達経路の転写標的遺伝子としてのBAMBI分子の解析を行った。主に昨年度の研究成果をまとめ、5月から投稿論文の作成を開始し、6月にJ.Biol.Chem.誌に論文を投稿した。査読の審査員の指摘として、BAMBI発現制御の解析に用いたレポーターコンストラクトの欠陥を挙げられたため、改良したコンストラクトを用いて実験を行い、9月に再投稿を行った。論文は11月に受理され、2月に紙面にて公表された。尚、本研究は12月の日本分子生物学会年会においても発表を行った。 本年度は新たに、BAMBIがアスパラギン糖鎖修飾を受けることを見出した。BAMBIは260アミノ酸から構成され、アスパラギン糖鎖修飾のコンセンサス配列(N-X-S/T)に適合するアスパラギン残基は、コドン87番目に1カ所確認される。興味深いことに、サーチの結果この配列は種間を越えて高度に保存されていることが確認された。さらに、コドン87のアスバラギンをアラニンに変換させたBAMBIは、アスパラギン糖鎖修飾を受けないことが明らかとなり、この部位がアスパラギン糖鎖修飾を受けることが明らかとなった。この糖鎖修飾がBAMBIの機能に影響を及ぼすか否かは解析中であるが、現在まで著明な機能は確認されていない。 次に、BAMB1遺伝子の発現制御機構の解析を昨年度に引き続き行った結果、BAMBI遺伝子の発現がTGF-βシグナルにより誘導されることを確認した。また、この発現制御は転写因子SMADによる直接の制御であり、転写開始点上流に存在する3カ所のSMAD結合配列(CAG(A/C)C)を介したものであることがレポーターアッセイにより確認された。さらに,ゲルシフトアッセイを行ったところ、SMADはこれら3カ所の結合配列に、配列特異的に結合することが確認された。本研究は、投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sekiya T, Adachi S, Kohu K, Yamada T, Higuchi O, Furukawa Y, Nakamura Y, Nakamura T, Tashiro K, Kuhara S, Ohwada S, Akiyama T.: "Identification of BMP and activin membrane-bound inhibitor (BAMBI), an inhibitor of transforming growth factor-beta signaling, as a target of the beta-catenin pathway in colorectal tumor cells."J.Biol.Chem.. 279巻6号. 6840-6846 (2004)