2003 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスMAPキナーゼ経路を介した発癌制御機構の解明
Project/Area Number |
03J61519
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 芳子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ASK1 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
ASK1-MAPキナーゼ系は当研究室で明らかにされたアポトーシズのシグナル伝達系路であり、その後のさらなる解析により、細胞の機能において、Ca^<2+>シグナリングや、酸化ストレスに起因するレドックスシグナル、FasやTNFからのサイトカインシグナリングのなかでASK1が強く活性化され、最終的にミトコンドリアを介してカスパーゼの活性化を誘導することが示されており、ASK1-MAPキナーゼ系はストレス誘導性アポトーシスにおけるシグナル伝達機構の本体である可能性が強く示唆されている。そこで、本研究ではASK1-MAPキナーゼ経路の異常と発癌との関連性を明らかにするために以下のような研究を行った。 1)各種癌細胞におけるASK1-MAPキナーゼ経路のシグナル伝達異常の解析 各種株化癌化細胞を用いて、様々なストレス(活性酸素種、紫外線(UV)、放射線、血清除去等)に対する感受性とASK1-MAPキナーゼ系の活性化の程度、またアポトーシスの惹起との関係について、TUNEL法ならびに抗活性化型タンパク質抗体によるウエスタンブロッティング法を用いて調べ、ASK1-MAPキナーゼ系のシグナル伝達異常によってアポトーシス異常が誘導されている細胞のスクリーニングを行った。 2)ASK1ノックアウトマウスを用いた発癌実験 細胞レベルで発癌機構におけるASK1-MAPキナーゼ系の関与が示されたので、ASK1ノックアウトマウスの皮膚発癌実験を行い、免疫組織化学的な観点から評価・検討することにより個体レベルでの癌の発生におけるASK1-MAPキナーゼ系の関与の解明を試みた。また、個体の癌組織における癌の進展におけるASK1-MAPキナーゼ系の分子機構の関与についても検討した。また、ASK1ノックアウトマウスを用いた皮膚発癌実験を行うことにより、発癌のASK1-MAPキナーゼ経路の関与を個体レベルで調べた。
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