2004 Fiscal Year Annual Research Report
IP_3Rと会合する新規チロシンリン酸化基質BANKによる細胞増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
03J61524
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 一剛 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
本研究では非受容体型チロシンキナーゼの生理機能を明らかにすることを目的として、チロシンキナーゼ標的分子の解析をおこなった。そのうちのひとつBANKについて、B細胞への過剰発現によりB細胞抗原受容体刺激後の細胞内プールからのカルシウム動員を調節することを明らかにしてきた。本年度の研究実績の概略は以下のようである。1、BANKはIP_3受容体と会合するが、この会合に必要なBANKのアミノ酸領域を明らかにした。この領域は、ショウジョウバエにおけるBANK類縁分子Dofの機能ドメインとも一致することが明らかになった。BANKファミリーのタンパク質はankyrin repeatとcoiled coil領域のみが特徴的なモチーフ構造であるが、これらとは違う新しいDBBドメイン(BANK-BCAP-Dofドメイン)の存在を明らかにし、IP_3受容体機能制御との関連を示唆した。Dofは従来Grb2との会合によりシグナルを伝えられると考えられていたが、これらの結果からBANKファミリーは全てIP_3受容体を調節することで機能していると考えられる。2、BANKのマウスオルソログをクローニングし、アミノ酸配列を明らかにした。またマウスBANKに対する特異的な抗体を作成し、他のシグナル伝達分子との相互作用について検討した。さらにBANKの染色体構造を明らかにし、BANK遺伝子欠損マウスの作成の進行を試みた。3、BANKの類縁分子を探す過程においてBANKと同様にチロシンリン酸化される新規タンパク質NYAN1を同定した。NYAN1に対する特異的抗体を作成し、NYAN1もまたチロシンリン酸化されていることを確認した。さらにNYAN1遺伝子欠損マウスを作製し、NYAN1がp85を介するPI3Kの活性化に関して最も重要な分子ファミリーを形成することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)