2003 Fiscal Year Annual Research Report
発現遺伝子チップを用いたメダカ突然変異体の発現プロファイルの解析
Project/Area Number |
03J61537
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横井 勇人 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メダカ / 発現プロファイル / DNAチップ / マイクロアレイ / 突然変異体 |
Research Abstract |
現在ゲノム特定領域研究においてメダカ初期胚で発現する遺伝子の網羅的単離が進行している。本研究は発現遺伝子群のDNAチップ化と突然変異体における発現プロファイル解析系の確立を日指している。本年度はメダカDNAチップの作製と、完成したチップを用いて今後発現プロファイルを解析するメダカ突然変異体headfishの解析を行った。 1,メダカDNAチップの作製 メダカESTプロジェクトで単離・登録されているデータを参考にして、メダカの胚発生において発現している8,091クラスターのESTを選出し、DNAチップ「メダカマイクロアレイ8000」を作製した。完成したDNAチップを評価するため、まず野生型の2日胚と日胚および日胚における遺伝子発現プロファイルを解析した。発現パターンが判明している複数の遺伝子について、DNAチップを用いて得られたデータがin situ hybridization法による発現パターンの変化と一致していることを確認した。これらの結果から、今回作製したDNAチップがメダカの発現遺伝子プロファイルの解析に強力なツールとなることが示唆された。 2,メダカ突然変異体headfishの解析 headfish変異体は発生初期から中胚葉組織に異常を示し、孵化期には胴尾部の大部分を欠損する。表現型の解析からheadfishでは中胚葉細胞を供給する尾芽の性質が異常になっていることが示唆された。ポジショナルクローニングにより、headfishの原因遺伝子がfibroblast growth factor receptor 1 (fgfr1)であることが判明した。FGFシグナルは発生の様々な場面で重要な役割をしていることが知られているが、受容体の特異性や使い分けについてはほとんど明らかになっていない。DNAチップを用いた解析により、fgfr1の下流因子について網羅的データが得られることが期待される。
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