2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J61544
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
芹澤 昌邦 信州大学, 繊維学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 枯草菌 / 転写制御 / 二成分制御系 / ECFシグマファクター / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
1.枯草菌の二成分制御系YdfHIの解析 レギュレーターYdfIを枯草菌内で大量に発現させることによりYdfHIを擬似的な活性化状態にすると、ydfJの転写が特異的に誘導された。これにより、in vivoの条件でYdfHIがydfJの発現に影響を与えていることを証明することが出来た。YdfJは薬剤耐性に関与する遺伝子が含まれるRNDファミリーに属する。そこでΔydfJ株及びΔydfHI株を用い薬剤耐性試験を行ったが、明瞭な結果を得ることは出来ていない。本研究で明らかになったYdfHIによるydfJの転写の制御について学術誌に投稿し、受領された。 2.枯草菌の二成分制御系YvrGHbの解析 YvrGHbは7個の転写ユニット(wprA, wapA-yxxG, dltABCDE, sunA, sunT-bdbA-yolJ-bdbB, yvrI-yvrHa, sigX-rsiX)に対して正方向の、lytABCオペロンの転写に対して負の制御をすることがわかった。WprA、WapA、LytB及びLytCは枯草菌の主要な細砲表層タンパクである。またSigXは細胞表層の恒常性の維持に関与するECFシグマ因子である。枯草菌においてシグマ因子の発現制御を行う二成分制御系は初めての発見である。YvrGHbの制御下にある遺伝子の機能を考慮すると、ΔyvrGHb株では、細胞表層の状態が変化し、外部からの刺激に対する応答性も変化している可能性が考えられた。そこでΔyvrGHb株を用い、薬剤感受性試験を行った結果、アズトレオナム、セフェピム、バシトラシン及びホスホマイシンに対しての感受性が増加することがわかった。また、ΔyvrGHb株では異常な自己溶解が観察された。以上の結果からYvrGHbは枯草菌の細胞表層の状態の維持、安定化に関与する転写制御系である可能性が示唆された。現在これらの結果をもとに、投稿準備を行っている。
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Research Products
(1 results)