2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J61545
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺井 洋平 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 体表模様形成 / hagoromo遺伝子 / メダカ |
Research Abstract |
今年度はメダカ、もしくはその近縁魚類の体表模様形成におけるhagoromo遺伝子の選択的スプライシングの役割を明らかにすることを主眼に置き実験を行った。 始めにメダカよりhagoromo遺伝子を単離することを試みた。ゼブラフィッシュ、フグ、シクリッドのhagoromo遺伝子の配列をもとに魚類共通にhagoromo遺伝子をRT-PCRで増幅できるようなプライマーを設計した。このプライマーを用いメダカRNAを鋳型にRT-PCRによりhagoromo遺伝子の部分配列を単離した。この配列をもとに上流向き、下流向きのプライマーを作成し5',3'-RACE法により全長配列の単離に成功した。同様の方法で性的二型が大きくオスの体表模様が派手なNothobranchius属、Aphyosemion属の卵生メダカよりhagoromo遺伝子を単離した。これら三種におけるhagoromo遺伝子の選択的スプライシングの解析を行ったところ、Aphyosemion属の種において選択的スプライシングが見られ、exon 7の除かれたmRNAが発現していることが明らかとなった。次にさらに多くのスプライシングパターンを見いだすために、卵体性メダカの仲間で品種改良により多くの体表模様の品種が生み出されているグッピーに着目した。グッピーは品種改良がはじまってからまだ150年程しか経っておらず、原種と品種では遺伝的に極めて近縁であると考えられる。卵生メダカと同様の方法でグッピーよりhagoromo遺伝子を単離した。この配列をもとにグッピーの原種と3品種を用いてhagoromo遺伝子の選択的スプライシングの解析を行った。その結果、原種では選択的スプライシングは見られなかったが、3品種のすべてで選択的スプライシングが見られ、それぞれの品種で発現するmRNAのパターンは異なっていた。これらmRNAの配列を決定してみたところ、exon 7の除かれたmRNA、exon 3の除かれたmRNA、exon 2,3の除かれたmRNAなどが発現していることが明らかとなった。 来年度はインジェクション法などを用い、メダカにおけるhagoromo遺伝子の選択的スプライシングの機能を解析していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Terai, Y., Takahashi, K., Okada, N.: "SINEs as probes for ancient explosion of speciation-A"hidden"adaptive radiation of African cichlids?"Molecular Biology and Evolution. 20. 924-930 (2003)
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[Publications] Terai, Y., Morikawa, N., Kawakami, K., Okada, N: "The complexity of alternative splicing of hagoromo mRNA is increased in an explosively speciated lineage in East African cichlids."Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.. 100. 12798-12803 (2003)
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[Publications] Terai, Y., Takezaki, N., Mayer, W.E., Tichy, H., Takahata, N., Klein, J., Okada, N.: "Plylogenetic relationships among East African haplochromine fishes as revealed by short interspersed elements (SINEs)."Jurnal of Molecular Evolution. 581. 64-78 (2004)