2003 Fiscal Year Annual Research Report
タイトジャンクション構成タンパク質クローディンの動態についての解析
Project/Area Number |
03J61551
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 美穂 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞接着 / 上皮細胞 / 細胞生物学 / タイトジャンクション / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
タイトジャンクションは上皮細胞のラテラル膜の最もアピカル側に存在する細胞間接着装置である。上皮細胞シートによって仕切られた2つの区画は、タイトジャンクションによって厳密にシールされている。本研究では、タイトジャンクションの主要構成タンパク質であるクローディンと緑色蛍光タンパク質(GFP)のキメラタンパク質を作製し、生細胞におけるクローディンの動態についての解析を行った。 2つの細胞間のタイトジャンクションの長さは、細胞の動きに伴ってダイナミックに変化する。2つの細胞間のタイトジャンクションが短くなるにつれて、クローディンが頻繁に細胞内にエンドサイトーシスされる様子が観察された。この現象を電子顕微鏡等を用いより詳細に解析すると、細胞は自らの細胞膜上のクローディンだけではなく、隣り合った細胞膜上のクローディンも一緒に細胞内にエンドサイトーシスしていることがわかった。意外なことに、他のタイトジャンクション構成要素であるオクルディン、JAM、ZO-1は、クローディンと挙動を共にしなかった。つまり、タイトジャンクションのターンオーバーの際に、クローディンは他のタイトジャンクション構成因子とは別に、選択的にエンドサイトーシスされることがわかった。これらのクローディンのエンドサイトーシスの制御によって、タイトジャンクションはダイナミックに変化する上皮細胞シート内の連続性を維持していると考えられる。
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[Publications] 松田美穂: "A peculiar internalization of claudins, tight junction-specific adhesion molecules, during the intercellular movement of epithelial cells"Journal of Cell Science. 117,7. 1247-1257 (2004)