2004 Fiscal Year Annual Research Report
がん遺伝子産物による細胞間接着の破壊と細胞運動亢進の制御機構
Project/Area Number |
03J61555
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川勝 智生 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ネクチン / 細胞間接着 / Src / Cdc42 / Rac / Rap |
Research Abstract |
細胞間接着と細胞の増殖・運動の制御機構の間には密接なクロストークが存在しており、その破綻が、がん細胞の増殖・浸潤・転移をひき起こす。RasやSrc等のがん遺伝子産物は細胞の異常増殖をひき起こすとともに、Rhoファミリー低分子量G蛋白質とクロストークしながら細胞間接着の破壊とがん細胞の運動能を亢進させている。しかし、がん遺伝子産物による細胞間接着の破壊機構やRhoファミリー低分子量G蛋白質とのクロストークの分子機構は不明である。私どもは、新しい細胞間接着機構ネクチン-アファディン系を見出し、この系が細胞間接着の形成を調節していること、さらにRhoファミリー低分子量G蛋白質を活性化して細胞間接着と細胞の運動を制御することを明らかにした。そこで、RasやSrc等のがん遺伝子産物とネクチン-アファディン系との相互作用および、ネクチン-アファディン系とRhoファミリー低分子量G蛋白質との相互作用の分子機構を解析することで、がん遺伝子産物により細胞間接着の破壊と細胞運動亢進の制御機構を解明することを試みる。本年度は以下の結果を得た。 1.ネクチンが、がん遺伝子産物c-Srcをリクルートし活性化することを明らかにした。 2.ネクチン依存性に活性化されるCdc42とRacの分子機構について検討し、それぞれの活性化制御因子として、FRGとVav2を同定した。これらは活性化されたc-Srcによって直接リン酸化されることを明らかにした。 3.また、活性化されたc-Srcは、Crk, C3Gを介してRap1を活性化することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)