2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J61565
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊田 るみこ 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 精神分裂病 / グルタミン酸受容体 / 連鎖不平衡解析 / SNP / ハプロタイプ / 関連解析 |
Research Abstract |
疾患感受性遺伝子を同定することを目的とし、グルタミン酸伝達異常仮説に基づきグルタミン酸受容体遺伝子を候補とした系統的な解析を行っている。本年度は、代謝型グルタミン酸5型遺伝。(GRM5)、8型遺伝子(GRM8)について解析を行った。 (1)GRM5の解析 本遺伝子の全体をカバーするように既知のSNPを14個選択し(SNP1-SNP14)、罹患群・健常群各100例のタイピングを行った。その結果、SNP5の遺伝子型頻度、アレル頻度において、罹患群と健常群との間に有意差が認められたが、Bonferroni補正によりこの有意差は消失した。またハプロタイプ解析の結果、SNP1-SNP3のハプロタイプ頻度において、有意水準を下回るP値が得られ、これはBonferroni補正をおこなっても消失しなかった。さらに、2次サンプルを用いて、SNP1-SNP3のハプロタイプについて関連解析を行ったところ、いずれも有意な関連は認められなかった。以上のことから、GRM5の統合失調症への主要な関与はないものと結論された。 (2)GRM8の解析 本遺伝子の全体をカバーするように、既知のSNPを22個選択し(SNP1-SNP22)、GRM5と同様の解析を行った。その結果SNP18とSNP19において遺伝子型頻度、アレル頻度ともに有意差が認められたが、Bonferroni補正によりこの有意差は消失した。また、ハプロタイプ解析の結果、SNP5-SNP6、SNP4-SNP5-SNP6、SNP5-SNP6-SNP7の3つの組み合わせにおいて、ハプロタイプと疾患の有意な関連が観察された。以上より統合失調症感受性遺伝子座がGRM8の近傍または、遺伝子領域内に位置することが示唆された。この結果は論文として発表した。現在、2次サンプルを用いた解析が進行中である。
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Research Products
(1 results)