2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞におけるSTAT3の活性化機構と共役因子の同定
Project/Area Number |
03J61566
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
城尾 晶子 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | STAT3 / 形質転換 / MITF / メラノーマ / シグナル伝達 / 転写因子 / c-fos / レトロウイルス |
Research Abstract |
STATファミリー分子はサイトカインシグナル伝達系において重要な転写因子である。特にSTAT3は多くのヒトの癌及び形質転換した細胞株において活性化が見られることから腫瘍形成に関与すると考えられている。しかし、恒常的に活性化された変異型のSTAT3 (STAT3C)はv-srcほど強い細胞の形質転換能力を特たないことが軟寒天コロニー形成実験から分かっていた。そこで、STAT3Cと協調して細胞の形質転換を誘導する腫瘍化因子を検索するために、HeLaのレトロcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、STAT3Cと協調してNIH3T3細胞の足場非依存性細胞増殖を誘導する遺伝子として、メラノサイトの発生や黒色化に働く重要な転写因子であるMITFを見出した。STAT3とMITFの標的遺伝子をマイクロアレイ解析によって検索したところ、STAT3CとMITFとの共発現によってc-fosの転写が促進されることが分かった。更に、プロモーター解析およびChIPアッセイによりSTAT3とMITFがそれぞれc-fos遺伝子のプロモーター領域に結合して協調的に活性化することを確認した。また、ドミナントネガティブAP-1をレトロウイルスで導入するとSTAT3CとMITFとを共発現させたNIH3T3細胞の形質転換能が抑制されたことから、STAT3とMITFは協調的にc-fosの発現を高めて、その結果細胞の形質転換を誘導することが示された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Joo A, Aburatani H, Morii E, Iba H, Yoshimura A: "STAT3 and MITF cooperatively induce cellular transformation through upregulation of c-fos expression."Oncogene.. 23. 726-734 (2004)
-
[Publications] Endo T, Sasaki A, Minoguchi M, Joo A, Yoshimura A.: "CIS1 interacts with the Y532 of the Prolactin Receptor and Suppresses Prolactin-Dependent STAT5 Activation"J.Biochem. 133. 109-113 (2003)
-
[Publications] Minoguchi M, Minoguchi S, Aki D, Joo A, et al.: "STAP-2/BKS, an adaptor/docking protein, modulates STAT3 activation in acute-phase response through its YXXQ motif."J Biol Chem.. 278. 11182-11189 (2003)
-
[Publications] Yamada S, Shiono S, Joo A, Yoshimura A.: "Control mechanism of JAK/STAT signal transduction pathway"FEBS Lett.. 534. 190-196 (2003)