2003 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム連鎖解析による精神分裂病の発症にかかわる遺伝子の同定
Project/Area Number |
03J61573
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大槻 露華 筑波大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 統合失調症 / 連鎖解析 / 探索眼球運動 / 位置的候補遺伝子法 / 22q |
Research Abstract |
連鎖の情報に基づいた位置的候補遺伝子法により、統合失調症の発症にかかわる遺伝子の同定を目指している。位置的候補領域を特定するために2つの全ゲノム連鎖解析を行なった。1つは日本全国の共同研究グループであるJapanese Schizophrenia Sib-pair Linkage Group(JSSLG)による罹患同胞対法を用いた連鎖解析で、もう1つは統合失調症の生理学的マーカーとして考えられている探索眼球運動のスコアを量的形質とした量的形質遺伝子座(Quantitative Trait Loci : QTL)連鎖解析である。JSSLGによる一次スクリーニングの結果、全ゲノムを基準とする有意水準、もしくは示唆水準を超える座位は検出されなかったが、1q23.3,2q36.3,3q23,4q23,5q32,8p12,9q21.1-q21.2,9q21.31,14q23.1,17q12,20q11.2の11ヵ所でp<0.05となった。QTL連鎖解析では22qで有意な連鎖を示した。QTL連鎖解析で22qの広範囲にわたって連鎖が示唆されたことなどから、22q11.2,22q12.1,22q12.3の3ヵ所について高密度なマーカーを用いた関連解析を行なった。22q11.2では特に統合失調症と関連する領域は検出されなかったが、PRODH遺伝子を含む少なくとも100kbの欠失が日本人において約250人に1人の頻度で検出された。22q12.1では、SEZ6L遺伝子の第1イントロンに存在しているD22S310で有意な関連が見られた。22q12.3では、遺伝子との関連は見られなかったが、遺伝子付近に位置するマイクロサテライトマーカーと有意な関連が見られた。 関連が見られるマーカーや領域が検出されており、さらなら解析により関連遺伝子が同定されると期待される。
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Research Products
(1 results)