2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J61581
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
塩生 真史 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | タンパク質間相互作用 / ドメイン間相互作用 / タンパク質立体構造 / 選択的スプライシング / 完全長cDNA / タンパク質ネットワーク |
Research Abstract |
昨年度は、精鎖結合部位の情報と、ホモロガスなドメイン同士の比較により得られた欠失/挿入部位の情報を組み合わせることで、バーシカンにおけるリンクモジュール同士の相互作用様式が推定できることを示した。特に欠失/挿入部位の情報は、これまでにタンパク質間相互作用部位との関係があまり議論されていない。今年度は、1つの遺伝子から注じるタンパク質間の欠失/挿入である、選択的スプライシング(以下、ASと略)による欠失/挿入部位とタンパク質間相互作用部位との関係について解析を行った。 ASは、スプライシングのパターンが変化することで1つの遺伝子から複数の成熟mRNAを作る機構である。これまでに、ASにより欠失するドメインの内、タンパク質間相互作用に関わるドメインが有意に多いという報告が存在する。しかし、球状ドメイン内の一部がASによって欠失/挿入する場合についてはほとんど解析されていない。そこで、ドメイン内でおきるASとタンパク質間相互作用部位の関係を調べた。まず、ヒトの完全長cDNAのデータベースであるH-Invのデータを用いて、平均約な球状ドメインのアミノ酸配列長よりも短い100アミノ酸残基未満の長さで欠失/挿入が起きるAS領域のデータを得た。次に、AS領域にタンパク質の立体構造をアサインした。立体構造の情報からタンパク質間および、サブユニット間の相互作用部位を求め、アサインされたAS領域上にマップした。その結果、AS領域に相互作用部位が含まれていたのは、解析した全AS領域の23%だった。これは、基質や補因子との相互作用部位よりも多い割合である。この結果とこれまでの報告を合わせると、ASによりタンパク質間相互作用が変化する場合が多いことを示している。今後は、タンパク質間相互作用の変化が、シグナル伝達などのタンパク質相互作用ネットワークにどのような影響を与えるかを調べていく必要がある。
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Research Products
(1 results)