2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J61589
|
Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
里村 武範 福山大学, 生命工学部, 特別研究員
|
Keywords | 枯草菌 / 二成分制御系 / グルタミン / グルタミナーゼ / グルタミントランスポーター / トランスクリプトーム / 転写制御因子 / 窒素源代謝 |
Research Abstract |
昨年度の研究から機能未知二成分制御系であるycbA-ycbBが細胞外のグルタミンを感知し標的遺伝子であるybgJHオペロンを正に制御していることが明らかとなった。そこで本年度は本二成分制御系の詳細な機能解析を進めた。また標的遺伝子がコードするタンパク質の機能解析も併せて行なった。その結果、以下の知見を得ることができた。 プライマーエクステンション解析、DNase Iフットプリント解析などのin vitro解析の結果、本二成分制御系の応答制御因子であるYcbBはybgJHオペロンの転写開始点上流のプロモーターを含む領域に結合していることが明らかとなった。この結合領域の配列を解析した結果、ダイレクトリピート配列を見出すことができた。このことから本二成分制御系はグルタミンを感知し、応答制御因子であるYcbBが標的遺伝子であるybgJHオペロンのダイレクトリピート配列を認識し本オペロンを直接制御していることが示唆された。 さらに本二成分制御系が正に制御している標的遺伝子であるybgJ、ybgHがコードしているタンパク質の機能解析も併せて行なった。ybgJ遺伝子については遺伝子クローニングを行い、大腸菌でのタンパク質発現系を構築し酵素活性を測定した。その結果、ybgJ遺伝子がコードしているタンパク質はグルタミナーゼ活性を有していることが明らかとなった。ybgH遺伝子についてはラジオアイソトープで標識されたグルタミンを用いてグルタミンの取り込み実験を行なった。その結果YbgHタンパク質がグルタミンの取り込みを行なっていることが確認できた。 以上の結果から機能未知二成分制御系であるycbA-ycbBはグルタミンを感知しグルタミナーゼとグルタミントランスポーターをコードするybgJHオペロンを正に制御することによってグルタミンの取り込みと代謝を行なっていることが明らかとなった。本研究成果は現在、Journal of Bacteriologyに投稿中である。
|
Research Products
(3 results)