2003 Fiscal Year Annual Research Report
前近代史歴史用語翻訳の研究-日本古代中世期の国際認識の形成と異文化受容の分析を通じて-
Project/Area Number |
03J83303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 小葉子 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 古代史 / 中世史 / 歴史用語 / グロッサリー / 史料編纂所 / データベース / 大日本史料 / 聖徳太子信仰 |
Research Abstract |
本研究の主目的は、日本古代・中世歴史用語・歴史語彙の英語への翻訳基準の設定、欧米における前近代日本学研究関連文献に見られる歴史用語・語彙の翻訳状況に関する情報収集・検討、およびそれらの電子情報化などによって日本史研究の一層の国際化を目指すことである。本年度は、以下の研究に従事した。 1.日本古代・中世歴史用語・歴史語彙の英語への翻訳基準の研究 【日本古代・中世史関係用語グロッサリーのデータベース作成を行った。既存の研究書にあるグロッサリー・インデックス等から抽出したものと、『大日本史料』め綱文に含まれる用語を翻訳したものなどを含め、約22,000項目の入力・編集を行った。このデータベースは、現在史料編纂所のホームページを通じて公開されており、今後も、日本史用語の語彙リスト自動抽出プログラムを作成するという目的にそって、データベースをより完全なものにしていくことに努める。】 2.欧米における前近代日本学研究関連文献に見られる歴史用語・語彙の翻訳状況に関する情報収集 【米国スタンフォード大学において、アメリカ日本学研究における前近代史・思想史用語・語彙の英語への翻訳状況について、意見交換をすることによって、より具体的なデータベース作成作業のための方針を立てることができた。】 3.日本前近代史料の国際的情報化の研究 【平成15年7月に開かれた国際研究集会で、上記データベースプロジェクトの発表をし、集会に出席した多くの外国人研究者とグロッサリーの作成、歴史用語翻訳基準の設定や電子情報化に関する意見を交換した。】 また、副研究として挙げた、古代中世期における中国文化の受容と、それにともなう聖徳太子信仰・対外観・世界観の形成に関する研究については、平成15年5月には國學院大学国史学会大会にて、同6月にはAsian Studies Conference Japan 2003(於上智大学)にて、それぞれ研究発表を行った。現在、それらの研究成果をまとめた論文を投稿中である。
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