2003 Fiscal Year Annual Research Report
自由ピストン衝撃波風洞による極超音速ノズル流れに関する理論的・実験的研究
Project/Area Number |
03J83503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 時忠 東北大学, 流体科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 衝撃波相互干渉 / 空力加熱 / 二重円錐、二重楔モデル / 可視化 / 画像解析 |
Research Abstract |
将来型再使用宇宙輸送システムの開発が進められる中、基礎的な技術開発は不可欠である。特に、境界層と衝撃波との相互作用および衝撃波干渉に関する空力加熱現象の解明は重要な研究課題である。それらの現象解明を目的とした検証モデルとして注目されている二重円錐および二重楔モデルを大気圏再突入時の極限状態を再現できる地上実験装置である衝撃波風洞の試験部に取り付け、そのモデル周りの流れ場に対して可視化を中心とした計測を実施した。 本研究では、二重露光有限縞ホログラフィー干渉計法を用いて定量的に、かつ最高100万コマ/秒で連続100枚の撮影が可能な最新の高速度ビデオカメラにシュリーレン法を導入して時系列的に可視化計測を行った。二重円錐および二重楔モデルの第二円錐および楔角を増加させると、衝撃波相互干渉形態は、定常状態のままVI型からV型と遷移し、さらに、いずれの場合も60度付近で流れ場が非定常になることを明らかにした。また、モデル表面の損傷は衝撃波相互干渉の形態により大きく異なり、第二角が大きいほど、その損傷は激しくなった。次に、衝撃波干渉が表面損傷に及ぼす影響を調べるために、二重露光ホログラフィー法で撮影した有限干渉縞写真を二次元フーリエ縞解析法およびアーベル変換法を用いて画像解析を行い、より詳細に定量的観測を行った。その結果、いずれのモデルの場合も第二角が小さいときは、剥離した境界層の再付着点付近で密度が自由流れ領域の密度に比べて10倍以上に達しており、また、第二角が大きいときは、伝達衝撃波が第二表面上に達した付近で密度が15倍以上に上昇していることを明らかにした。
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