2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J84303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢島 孔明 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | キネシンスーパーファミリー(KIFs) / モーターたんぱく質 / 微小管 / たんぱく質複合体 / 巨大高分子 / 電子顕微鏡構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / 画像解析 |
Research Abstract |
キネシンスーパーファミリー(KIFs)は細胞骨格である微小管と密接に作用しあいながら、細胞内物質輸送など生体内において基本的で重要な役割を果たしているモーター分子である。実際生体内ではKIFsは微小管をレールとした直線的な運動を引き起こしたり、微小管を不安定化させたりするとういうような動的な現象を伴っているが、この作動機構は微小管という巨大高分子に働く複雑な現象であるため、未だ解明されていない点は非常に多い。そのため、このような複雑に作動するモーターたんぱく質の構造的な視点からKIFs分子が微小管に働く作動機構を明らかにするために、電子顕微鏡構造解析の手法を用いて動的状態の解析の確立、及びより高解像度でのKIFs微小管複合体の解析へ向けての検討を行った。具体的には、溶液中で急速凍結したモータードメイン・微小管複合体について、クライオ電子顕微鏡により観察されたデータを用いて、三次元再構成による構造解析に関する諸過程について、様々な解析機器及び画像解析に関するコンピュータープログラムを用いることにより検討を行った。しかし、検討を行った結果、複合体の構造において作動機構に関する具体的な結合様式の情報を信頼できるレベルで明らかにすることは困難であった。そのため、データ自体のクオリティーを考え、より高質なデータを得るためハードレベルでの検討に力を注ぐことにより、データのレベルを上げることを試み、複雑な作動機構で働いている分子機械の仕組みの全体像を明らかにすることを望む。
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