1992 Fiscal Year Annual Research Report
南千島-マリアナ海溝太平洋側への高性能地震観測網の展開
Project/Area Number |
04041055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深尾 良夫 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 信生 気象庁, 気象研究所, 室長
鷹野 澄 東京大学, 地震研究所, 講師 (80134659)
笠原 順三 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70012953)
山田 功夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60022670)
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Keywords | 地震観測 / 地震計 / 海洋底 / ポセイドン計画 / ポンペイ島 / 南鳥島 / 西太平洋 / 地球深部 |
Research Abstract |
本年度の最大目的はミクロネシアのポンペイ島(ポナペ)に地震観測点を建設することである。この目的のため、3度ポナペに出張した。第1回目の出張で観測点を決定し、第2回目で観測壕の建設を開始し、第3回目の出張で地震計の設置を行った(本報告執筆時点において設置作業続行中)。出張の合間には、地震計の調整・テスト観測及び記録・伝送システムの自作・組立を行った。ポナペはその北に太平洋で最も古い海洋底が広がり、南には世界最大の海台オントンジャバが位置するという地震観測上非常に興味深い島である。このため広帯域地震計(STS-1)のほかに通常の高感度地震計を設置して、海洋プレート中を伝わる高周波Po波・So波も記録できるようなシステムとした。また広帯域地震計が安定に動作するよう観測壕の地震計室の前に2枚の厚い鉄板からなる扉を4段設けて、外界と地震計室との空気の流通を遮断した。刻時システムを確実なものとするため、オメガとJJYの両方で時計を較正するようにした。ミクロネシア電話公社による電話線敷設工事が遅れているため、今回は電話による地震計調整システム,データ伝送システムを作ることは諦めることにした。とりあえずデータは現地担当者が郵送してくれることになっている。記録システムは停電対策も含めてできるだけ確実かつ高性能なものを自作した。一方、本年度のもう一つの目的である南鳥島への観測点建設は分担者の一人である浜田によって無事建設が終わり、地震計(STS-2)は順調に稼動中である。太平洋上の珊瑚礁であることからノイズは大きく、電話による地震計調整やデータ伝送が不可能といったハンデがあるが、無数のT波及び比較的大きな地震の実体波・表面波がきれいに記録されている。
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