1992 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ諸社会における女性の比較研究-性差の伝統的構造と現代的対応-
Project/Area Number |
04041116
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
和田 正平 国立民族学博物館, 第三研究部, 教授 (50110086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
S B Pius 国立人文科学研究所, バメンダ分館, 館長
A B Itandala ダルエスサラーム大学, 歴史学部, 教授
吉田 憲司 国立民族学博物館, 第四研究部, 助手 (10192808)
阿久津 昌三 信州大学, 教育学部, 助教授 (30201883)
栗田 和明 野外民族博物館, リトルワールド, 研究員
江口 一久 国立民族学博物館, 第三研究部, 助教授 (90045261)
端 信行 国立民族学博物館, 第三研究部, 教授 (90044742)
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Keywords | 男性と女性 / 性差 / 地位と役割 / 王母 / 結社 / 政治参加 |
Research Abstract |
1.タンザニア北部、イラク農村社会において和田正平は、女性だけが結集し、数日間にわたりサバンナで挙行される伝統的な雨乞い儀礼を中心に調査を行なった。タンザニア南部では栗田和明が、ニャキュウサ農村社会において、女性が講集団をつくりトラックをチャーターして農産物を都市の市場まで運搬販売する経済活動について調査をすすめることができた。なお栗田はマラウィで日本調査隊として初めて調査許可を取得し、準備調査を行なうことができた。 2.カメルーン北部、マルワの都市居住フルベに関して江口一久は、「女性/男性」の性差がどのように表現されているのか、言語民族誌的調査を実施した。カメルーン北西部は政情不安で調査条件が悪かったが、端信行は都市部および農村部における生業形態の男女間の分業との関係を中心に調査を行なうことができた。 3.ザンビア東部、チェワ農村社会において吉田憲司は、男性だけで構成される仮面結社ニャウと、女性だけが営む成人儀礼チナムワリとのあいだの構造的関係とその現代的な変化に焦点をあてて調査を行なった。その結果、両者がチェワ社会における社会的性差(ジェンダー)の表現というより、むしろその性差を生み出す機構として作用していることが明らかになった。 4.ガーナ南部、州都クマシにあるアシャンティ王宮を中心に阿久津昌三が、王と王母が主宰する伝統的な評議会に関して参与観察を行なった。親族と結婚、市場の粉争等の家政的な領域の諸問題は、王国の評議会で取り扱われている。 5.タンザニア東部において、B.イタンダーラはザラモ女性の都市進出について、またカメルーン北西部において、B.パイアスはマンコン王国における王母、王妃、王女等の関係について調査をすすめている。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 和田,正平: "レヴィレート(婚)からの解放-寡婦の束縛と自由と独立" 『アフリカ女性の民族誌』(和田正平編著)所収. (1993)
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[Publications] 端,信行: "ソ連の崩壊とマンコン王国" 月間みんぱく. 17巻4号. 15-17 (1993)
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[Publications] 端,信行: "カメルーン高地農民の経済生活" 国立民族学博物館研究報告.
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[Publications] 江口,一久: "フルベ族の女性の言語生活" 国立民族学博物館研究報告.
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[Publications] 江口,一久: "フルベ族のJoking relationship" 国立民族学博物館研究報告.
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[Publications] 栗田,和明: "マラウィ北部の生活条件" リトルワールド. 45. 16-19 (1993)
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[Publications] 栗田,和明: "ニャキュウサ人の生活空間" リトルワールド研究報告. 13. (1993)
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[Publications] 阿久津,昌三: "女の力-アサンテにおける王母の地位-" 『アフリカ・その政治と文化』(小田英郎教授還暦記念論文集刊行会 編). 163-182 (1993)
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[Publications] 吉田,憲司: "Masks and Secrecy among the Chewa" African Arts. 26-2. (1993)
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[Publications] 和田,正平(編著): "アフリカ女性の民族誌" 明石書店, 400 (1993)